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「わけのわからない自分」

   こたつのぬくもりが恋しい季節になりました。年を重ねると、日が暮れてからの気温の急な低下は、やはりちょっときついです。みなさんは、どうですか? 風邪をひかないように注意してくださいね。

 さて、昨日18日の日曜日で、美術科の卒業制作展が終了しました。美術科のみなさん、お疲れ様でした。みんな、すごかったですよ。みんなそれぞれに本当に輝きまくっていました。

 さて、17日の土曜日の午後からは、武蔵野美術大学の諏訪敦先生をお招きして、講評会と講演会、そしてパネルディスカッションがありました。私も聴講させてもらいました。講評会は、5つの専攻から一人ずつ、計5人を諏訪先生が選び、その5人の作品を実際に壇上のスクリーンに映し出し、制作した生徒が壇上に出て諏訪先生の質問(制作動機等)に答えながら、諏訪先生から直接講評してもらうもの。講演会は「アーティスト活動の実際」と題して、諏訪先生のアーティストとしての実祭の活動の様子を話してもらうもの。最後のパネルディスカッションは、5専攻の代表生徒計5名がパネラーとなり、「芸術の枠・境目について」というテーマで、諏訪先生と自由にディスカッションするもの。昼過ぎに始まったものが、帰る頃にはすっかり暗くなり、あっという間の4時間。学ぶべきところのとても多い、密度の濃い4時間でした。みんながとても輝いて見えた理由は、なんといっても、それぞれが自分の言葉で説明し、答えていたから。ふだんはなかなか説明しにくい、「自分というわけのわからない存在」に対して、率直に疑問や意見を諏訪先生に投げかけ、それにまた諏訪先生がその場で一生懸命考えながら答えてくれる。わからないときには、わからないと率直に答えてくれるし、生徒も説明に窮しながらも、一生懸命に自分の言葉で「わけのわからない自分」を説明しようとする。あるいは、今現在必死に考えている問題について説明してくれる。その態度がすがすがしいというか、今は生煮えの状態でも、いつかきっと見えてくるものがある。(見えてこないかもしれませんが・・・)見えてこなくてもいい。解決不能な問題を抱え込むエネルギーみたいなものを諏訪先生は、みんなにもたらしてくれたはず。そういうとてもスリリングな場が、あのときあそこに生起し、うごめき始めたような気がします。諏訪先生、ありがとうございました。

 さて、まだ紹介していなかった作品名を挙げていきます。

 まずは日本画専攻です。【はかなし】・【驟雨】・【花言葉】・【偶像崇拝】・【理想】・【スクリーンの向こう側】・【雨】・【あこがれ】。以上の8名です。最後に一番の大所帯、洋画専攻です。【 mirror 】・【 Giant 】・【望郷】・(【静物画】・【おさげの少女】)・【 untitled 】・【沈物画】・【劣等】・【理想郷――想像と創造の地】・(【0.01】・【0.8】)・(【暖を重ねる】・【つかむ】・【にぎる】)。以上の10名です。

 今日19日の月曜日は、搬出作業があり、そしてなんと、その卒展の作品群が、本校の1F廊下に展示されました。すごいですね。ちょっとしたミニ美術館です。諏訪先生もびっくりですよ。毎日ワクワクです。みなさん、ありがとうございます。

 今日は、このへんで。