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広瀬淡窓『桂林荘雑詠諸生に示す』

昨日の続きです。今年の教育実習生に出した課題は、次の漢詩についてです。

 

広瀬淡窓『桂林荘雑詠諸生に示す』

【白文】

休 道 他 郷 多 苦 辛

同 袍 有 友 自 相 親

柴 扉 暁 出 霜 如 雪

君 汲 川 流 我 拾 薪

 

【書き下し文】


道(い)ふを休めよ 他郷苦辛多しと

同袍友あり 自(おのずか)ら相親しむ

柴扉(さいひ)暁に出づれば 霜雪の如し

君は川流を汲め 我は薪(たきぎ)を拾はん

 

【現代語訳(口語訳)】


言うのはやめなさい、他郷での勉学は苦しく辛いことが多いと。

ここには一枚の綿入れの着物を貸しあう仲間がいて、おのずと仲良くなるのだから。

明け方に粗末な扉から(外に)出てみると、霜が雪のように(真っ白に)降りている。

君は水を汲んできなさい、私は薪を拾ってこよう。

 

この漢詩を読んで、自分の感想を述べなさい。時間は3分~5分。書き下し文と口語訳は、ネットでひけばすぐわかるので、それは省いてください。みなさんにお願いしたいのは、この漢詩から自分がくみ取れることを高校生に伝えるとして、自分はどういうことを伝えたいのか、教育実習の最終日にこの校長室でプレゼンしてください。よろしいですか。楽しみにしています。

こういうことを、実習の初日に伝えました。実習生は、みごとでしたね。予想以上にやってくれました。やはり彼ら彼女らは、第二句目(承句)の「同袍友あり 自(おのずか)ら相親しむ」にポイントを置いて、自分が苦しかったときの友人のありがたさを一生懸命語ってくれました。実習生のみなさんに、拍手です。

今日は、このへんで。