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「人生の転機」

 明日は、1月の末日。平成31年もあっという間に過ぎていきます。改元が予定されているので、平成を使うのもあと3ヶ月ばかり。昭和の時代に生まれて、子ども時代を過ごし、就職後もそのまま昭和の時代を過ごした自分にとって、本当に感無量です。あちこちで言われることですが、平成という時代は、自然災害が日本各地で多く発生したので、今度の元号の時代は、もう少し落ちついてほしいと切に願います。

 さて、私は芝居を観るのが好きです。成井豊という同い年の劇作家と、これまた同い年の西川浩幸という役者をはじめとして元気者の役者がそろっている劇団「キャラメルボックス」のかくれファンです。時々ガス欠状態になると、彼らの書いたものから少しばかり元気をもらっています。

  そのキャラメルの公演パンフから、男性と女性、それぞれが書いたある一節を紹介します。タイトルは「人生の転機」。

             

         人生の転機

 

         初めてレオタードを着て、自分の姿を鏡に映したとき。

         今思えば、私の人生の転機は、4歳ですでに訪れていたのかもしれません。学生時代にダンス部にいた母と、二つ上の姉が通う、近所のカル

         チャーセンターに、私もジャズダンスを習いたいとついていったのは幼稚園の頃。初めて買ってもらったレオタードは青藤色で、今もその色

         を見るとどきどきします。それからずっと私の生活は、学校に通うことと踊ることだけ。洋服は、制服とパジャマとレオタードしかいらない

         毎日でした。

         もし、あのとき、鏡の前に立っていなかったら、おままごとやお人形遊びが好きだった私が、将来、舞台に立つ仕事なんかを選んでいなかっ

         たと思います。文章を書くことが好きで、小学校の頃は童話作家になりたいなと夢見ても、大学で心理学を学んでみても、結局、身体で表現

         することには勝てなかった。青藤色のレオタードを着た鏡の中の自分は、とても小さかった。小柄だったし、周りはお姉さん達ばかりだった。

         でも、だからこそ、身体を誰よりも大きく力いっぱい動かしてみたあのとき。

         4歳で転機を迎えた私の人生は一直線でとても単純です。

 

 

         人生の転機

 

         僕は口が達者だ。実家が商売をやっていた関係で、こうなった。どんなに気を遣っても出てしまう喋り方というのが、僕にはある。そして、

         これは短所だ。会う人会う人に「お前は本心から話していない」「口で言っているだけだ」と言われてきた。自分では相手を思いやって言っ

         ているつもりでも、相手にそう受け止めてもらえないのだ。それでは、意味が無い。正直、一時期かなり落ち込んでいた。人間関係が怖くな

         った。人と話をする時に、どう話せばいいのかわからなかった。なぜなら、自分が口を開くと相手を不快にさせるから。しかしある時、初め

         て行ったバイト先で、目茶苦茶誉められた。「こんなにできる人はなかなかいないよ!」と。・・・単にその職場の雰囲気と僕の言葉遣いが

         マッチしただけで誉められたのだった。そこでふと気が付いた。自分の話し方を嫌う人もいれば、良しとしてくれる人もいる。そぐわない場

         所もあれば、そぐう場所もある。言葉遣いなんて、ほんのちょっとしたことかもしれないけれども、そこから僕は自分を認められるようにな

         った。人間の意見というものは、十人十色。自分の周りの世界のみで苦しむのではなく、もっと色んな世界に目を向けよう。一つの意見でマ

         イナス思考になるのはもったいない。自分を100%否定するのはもうやめよう。・・・そんなことを思った23の夏。

 

 

 どうでしょうか。それぞれに舞台役者なので、ほとんどテレビで見る機会がない役者さんたちです。でも、書いている内容が、もしかしたら個性あふれる本校生徒や、「一人ひとりが輝く」本校生徒にマッチする話と思って、そのまま紹介させていただきました。進路を考える際や、ちょっと人間関係で悩んでいる人などは、ぜひ参考にしてほしいと思います。

 今日は、このへんで。