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美しいものに

 本日4/16、本校では2・3年次に対して副教材等の受け渡しを行いました。(昨日、来校できなかった新入生も対象)在校生が対象なので、当然先生方に、マスク越しではありますが、近況を報告する生徒もいて、とても心強く思ったところです。明日も同じように行います。今日は昨日と比べるとあまり気温が上がらず、明日も同じように花冷えの天気のようです。明日、受け取りに来るみなさんは、寒さ対策をきちんとして、来校してください。
 また、校長の私から課した作文ですが、新入生の分、受け取りました。2年次・3年次のチャレンジしてくれた生徒の分も受け取りました。試しにいくつか読んでみましたが、みなさんが一生懸命、今回の問題を考えて書いてくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。これから学校再開まで、みんなの気持ちを受け止めて、これからの学校運営に生かしたいと思います。ありがとうございます。

 敷地内のしだれ桜とムスカリです。このような時こそ、美しいものに目を向けたいものです。
 今日は、このへんで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校長から宮城野高生へのメッセージ
「未来からの呼びかけに応えよう」

みなさん、おはようございます。本日、本来ならば予定より1週間遅れの入学式や始業式を行う予定でした。しかし、再び年度初めの大切な式の延期を余儀なくされています。新入生も含めて、宮城野高生全員にこのメッセージを伝えることで、みなさんと思いを一つにして、この危機的な状況を乗り越えたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症により、この日本のみならず世界中が混乱の極みにあります。この状況下で、私たちは、どのように考え、どのように行動すればよいのでしょうか。
 実はここ数日、どんどん厳しくなる状況にあって、学校内で心強く思ったことがあります。それは本校の先生方がそれぞれの分掌や年次、教科で自主的に一丸となって、みなさんに様々なメッセージを作り始めているということです。実際に、「ことばの力」で、みなさんとつながろうとしている。それを自分はとても心強く思いました。そしてまた、ああ、これはまた自分たちがこれまでたどってきたことだ、9年前のあれに似ているなと実感しました。
 ふりかえってみれば、私たちは、東日本大震災でたくさんの大事なものを失いました。そこから人と人とのきずなを大切にして、それを支えにして一歩一歩、少しずつ少しずつ前を向いて歩いてきました。大きな危機にあって、何が大事で、大切なのか、みなさんは、それぞれの経験をとおして確実にわかっているはずです。たとえば、涙が枯れはててしまうほどの辛い場面を自分自身が経験したり、そういう人のそばに自分が寄り添ったり、それぞれに厳しい状況を乗り越えてきたと思います。あの時、たくさんのものを失った私たちは、「ことばの力」にどれだけ励まされてきたか、お互いにつながろうとしたか、ふりかえってほしいと思います。
今、私たちは、何が正しくて、正しくないのか、判断に迷うほど本当に厳しいところにあります。これからもっともっとしんどい状況になるかもしれません。そういう難局を強い自覚をもってみんなで乗り越えていこう、そういうスクラムを宮城野高校として共有したい、そう思ってみなさんに呼びかけます。
さて、みなさんに最初にお願いすることです。今回の状況に陥ってから、いろいろな局面で本校は進む方向を選択してきたし、これからも選択します。判断の最終的な責任は私にあります。最終的な舵取りは私が決めます。ただし、みなさんに呼びかけたいのは、その選択が正しかったのか正しくなかったのか、それを決めるのは「未来」のあなた方です。よろしいでしょうか。本校は開校以来「未来」という合言葉を大切にしてきました。初代の校長先生は集会のたびにみなさんの先輩方にこう訴えました。「未来からの呼びかけに応えなさい」。これまでのみなさん、今現在のみなさん、そしてこれからのみなさんの思いと行動が、みなさんの「未来」、そしてこの地球社会の「未来」をつくっていく、そう心してほしいと思います。
お願いの2番目です。先に私は「ことばの力」を大事にしなさいと訴えました。「ことば」は人間に許された大事な能力のひとつです。人間には、もう一つ大事な能力があります。それは「想像力」です。人の大切な思いや喜怒哀楽を共有できる「想像力」です。このようなときこそ「想像力」を支えにしてこの難局をみんなで乗り越えたいと思います。今、私たちは新型コロナウイルスによって分断されようとしています。よく言われる「3密」を避けなさい、それは物理的に他人と距離をとることです。極端に言えば分断です。寄り添うことがすごく心地よいことなのに、私たちは分断されかかっています。でも、どんなに離れていても、大切な人、遠くにいることを余儀なくされている人のことを、想像力の力で、ぐっと近くに寄せてその人のことを思う、痛みを分かち合うことはできるはず。考えてみれば本校25周年のテーマは「sowzoU」です。このアルファベットの「sowzoU」には、様々な「そうぞう」の意味が託されています。もちろんひとを思いやる「想像力」も入っています。「想像力」の力で、やっていいことと、いけないこと、それをきちんと自覚するとともに、どんなに離れていても「ことばの力」や「想像力」で他人(ひと)に寄り添える、そうしてこの危機的な状況を乗り越えたいと思います。
さて、三つ目のお願いです。建設的に考える、建設的に行動する、そうして自他の未来を改めて組み立てなおす、そういうことをお願いしておきます。
たとえば、これから再びしばらくは臨時休業となりますが、自宅でもできること、これを一生懸命に考える、行動に移す。これを様々な分野の一流人に学んでほしいと思います。プロは、やはり予防に徹底することはもちろんのこと、一生懸命終息後のことを考えています。終息後に「よーいドン」となったときにすでに勝負がついている、そう思って今を送っています。人は、厳しい状況のときこそ何を考え、やっているか、そこが問われます。もちろん、「自他の命を守る」、そのことが最優先で、自分の命も他人(ひと)の命も守る、この日本社会、世界をどうにかしないといけない、その自他の命を守ることと、自他の未来を築いていくこと、そこのところをきちんと両立すること、そういう難しいところがみんなに課せられていまたす。でも深く考えてみれば、それはふだん、常に我々に問われていることです。お互いの命を守りながら、命の存続ということに一番配慮しながら、それぞれが自分も含めて人間社会の未来を築いていくこと、それは、いつどこでも同じです。ひととして、それぞれの生き方に責任を持つ、そこを忘れない。いいですか。責任を持つとは、自他の命を守る行動をとることです。しっかり強く自覚してこれからの臨時休業中の生活を送ってください。

改めて、私から注意したいことです。
① ネットやSNSで絶対やってはいけないことを強く自覚すること。人を攻撃しないこと。尊敬するお医者さんが話していましたが、「うつされるかもしれない」と考えるより、自分が「うつしてしまうかもしれない」と考えて、自分の行動に責任を持つこと。
② 今後の急な変更に柔軟に対応すること。情報に右往左往せず、やるべきことに集中すること。やるべきこととは、当然「学び」です。「学び」とはふだんの学習のことはもちろんのこと、意味を深くとって実践してください。この地球社会の「未来」を作り直すためには、あなたがたの「深い学び」が必要です。もちろんそれは自分勝手な学びではなく、人のことばに謙虚に耳を傾ける姿勢、そして「未来からの呼びかけ」に謙虚に応える姿勢であってほしいと思います。
③ リフレッシュを上手に実践すること。危機的な状況のときの、文化芸術の力を改めて深く自覚し、読書や美術、音楽その他もろもろの美しいものにできるだけふれて、心を耕すこと。震災の時、みなさんは、文化芸術の力がいかに大事であるか、実感してきたはずです。
 
最後に。3/24の終業式の際、私から何を伝えたか覚えていますか。新入生は初めて聞きますが、ごめんなさい。先輩にこのような言葉を伝えました。改めてみなさんに伝えます。
宮澤賢治の言葉です。
『世界がぜんたい幸福にならないうちは、 個人の幸福はあり得ない』。

みなさんと、5/7に新年度をスタートできることを心から祈念して、みなさんへのメッセージとします。拙い文章を読んでいただき、ありがとうございました。
令和2年4月15日  
校長 遠 藤 吉 夫


以上のメッセージを、4/15~4/17の期間に、副教材等の受け渡しの際に、校長の私から宮城野高生へのメッセージということで、みなさんに届けました。自宅学習の合間にぜひ読んでください。また、ぜひ親御さんにも渡していただき、思いを共有していただけたら幸いです。(最後のセンテンス「みなさんと、5/7に新年度をスタートできることを心から祈念して」の箇所ですが、配布した用紙には、「5/6」となっていました。正しくは「5/7」です。失礼しました)
今日はこのへんで。

 

5/20

以下、訂正です。

誤⇒「収束」  正⇒「終息」。本文中の該当箇所は訂正済みです。失礼しました。