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後期始業式・教育実習開始

 今日から、10月がスタート。ちょうど今日は中秋の名月。まん丸いお月様(実は満月は明日ですが)が昇ってくるのを期待しているのですが、ちょっと雲がかかりすぎで、残念です。さて、後期スタートにあたっての始業式ですが、例によって生徒は教室で着席のままです。映像、動画で私からの挨拶を視聴することになりました。以下に挨拶の要旨を掲載します。

 

令和2年度  後期始業式 校 長 挨 拶  
                        令和2年10月1日             

みなさん、改めましておはようございます。後期始業式にあたって、私から少しばかりお話をさせていただきます。
今日から10月。朝夕、本当に涼しくなりました。季節の変わり目で、気温差が大きく、ちょっと油断するとすぐ風邪をひいてしまいます。新型コロナの新規感染者がまだまだ続いています。くれぐれも健康管理に注意して過ごしてください。
さて話したいことの一つ目。先日東北大学で「高等教育フォーラム」という研究会がありました。高校と大学の関係者が一同に集い、今後の高等教育、特に高大接続の部分を議論する研究会です。そこに東京の中高一貫の私立高校の校長先生が登壇されてお話しされました。記憶に残ったのが最後のところです。こう話されました。
『今後への期待・・・未来の高大接続に向けて』
たった一度の人生をどう構想していくか・・・人生の構想力で高校・大学の教育の筋を通していくのが本来の高大接続ではないのか・・・
何になりたいか、と同時に、どう生きたいかを考えさせるのが、大事ではないか。

さて、みなさん、どうでしょうか? 最後のフレーズをもう一度繰り返します。
何になりたいか、と同時に、どう生きたいかを考えさせるのが、大事ではないか。

この宮城野という空間で、生徒のみなさんと先生方が日々学んでいます。
その学びにあって、最も大事なことをズバリ突いている言葉であると思います。

みなさんの中で「何になりたいか」は考えていても、「どう生きたいか」を話せる人は、どれくらいいるでしょうか? どう生きたいかが難しければ、「〇〇になりたい」ではなくて、「どのような〇〇になりたいですか」という質問でもかまいません。

実は、今、3年次の面接指導においても、この「どう生きたいか」を徹底して考えてもらっています。「〇〇になりたいと思います」。これは、小学生でも中学生でも言えます。問題は「どう生きたいか」、 あるいは「どんな〇〇になりたいか」。このへんについて、深く考えられる人であってほしいと思います。
たとえば、このような面接時の問答が想定されます。
「将来は、どんな仕事に就きたいですか」⇒「看護師になりたいです」⇒「どんな看護師になりたいですか」⇒「患者さんに寄り添える看護師になりたいです」⇒「患者さんに寄り添える看護師とは、具体的にどんな看護師さんのことですか。もう少し詳しい説明をお願いします」⇒「はい、たとえば、治癒が難しい難病を宣告された患者さんに対して、その不安感を少しでも和らげられるような言葉をかけられる看護になりたいです。」⇒「そうですか。では、そのために、あなたは、学校の勉強以外にどんなことを学んでいますか」⇒「はい。心理学を少しでも学んでおきたいと思い、〇〇先生の本を読んで、心に深い傷を負っている人とのコミュニケーションのとり方について、勉強しています」などなど

いかがでしょうか? どう生きたいか、どんな〇〇になりたいのか、そういうところを早い段階から深く考え、そのための深い学びをみなさんにお願いしておきます。

二つ目。先ほど「人生の構想力」という言葉を紹介しました。本校で大事にしている言葉、合言葉は「未来」。その未来をつけます。そうすると「未来構想力」。自分の、あるいは私達人間の、あるいは人間のみならずあらゆる存在を含めて、この世界の、地球の未来を構想していく力、「未来構想力」。今現在、そういうものが根本から問われている、そう思います。

みなさんは、新型コロナ感染症の拡大という状況にあって、いろいろなものが中止になり、おもしろくない、残念だ、と思っているかもしれません。でもこのピンチをチャンスに考えることもできます。なぜなら、これまでの考え方が通用せず、人の生き方、関係のあり方が根本的に問い直されているからです。

このピンチをチャンスにとらえなおして、自分も含めて、この日本や世界、人類の未来、地球全体の未来を構想していくこと。本校総合学科では、「未来デザインプロジェクト」を実施しています。未来構想と未来デザイン、少しばかり近い言葉だととらえてください。未来を構想していくこと、未来をデザインしていくこと。ぜひ、チャレンジ精神たくましい宮城野高校生であってほしいと思います。
実は、夏休み明けの全校集会の挨拶で、それぞれの年次にお願い事を私からしましたが、それぞれにたくましい「そうぞうりょく」をもった動きがあったこと、これを大変うれしく思いました。感染症予防対策をしっかりと取りながら、学校活性化に向けて取り組んでほしいと思います。

三つ目。今月30日に、本校創立25周年記念式典があり、記念講演に小山薫堂先生をお迎えして講演をいただきます。これまで何度もみなさんに伝えてきました。
講演タイトルは、「しあわせの企画術」。本校は「ひとりひとりが輝く」学校です。そうありたいと思います。輝くとは、ひとりひとりが幸せになってほしい、そう思います。学びの究極の目的は、一人ひとりが幸せになること。そのしあわせ感をどうやって生み出すか。そのヒントを薫堂先生が話してくれるかもしれません。ぜひ期待してほしいと思います。
ところで、コロナがやはり心配です。基本、今後10月30日までに教職員、生徒から万が一陽性者が出てしまったら、体育館での式典、講演はとりやめます。その代わり、始業式や入学式のパターンで教室での実施を考えています。
とにかくまずは、今現在の学びの継続が大事です。くれぐれも強い自覚をもって、今年度後半の学校生活を送ってください。また、3年次生は、進路実現に向けてお互いに励まし合い、支え合って一層の努力をお願いします。みなさんが全員、笑顔で進路実現を果たしてくれることを期待します。

以上です。

 

 ところで、本日は、教育実習もスタートしました。5名の実習生です。本来は前期のうちに実施されるものでしたが、コロナのため、後期に延期されていたものです。フレッシュなみなさんから、生徒はたくさんのものを吸収すると思います。よろしくお願いします。

今日は、このへんで。