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終業式、講話要旨

本日3/22、午前中は、終業式、午後は合格者の予備登校がありました。せっかくですので、終業式での校長講話要旨を掲載します。

 

平31.3.22  終業式 校長 講話 (要旨)

 

改めまして、おはようございます。終業式にあたって、すこしばかり話をします。

まず、振り返りです。3/1の卒業式。答辞で、卒業生から「この宮城野高校を選んでよかった、正解だった」という意味の言葉がありました。もちろん、この宮城野高校だからこそ自由な校風のもとで、様々なことにチャレンジできた、自己実現を果たすことができた、そういう意味だと思います。

みなさんにもぜひ、これから本校で学校生活、1年の振り返りと新年度にスタートにあたって、みならってほしいなと思います。

また、おととい3/20のFT・PSの発表会、お疲れ様でした。東京研修の成果をきちんと取り入れての発表、見事だったと思います。田子中のみなさんの前で、堂々と高校生らしく発表できていました。新年度は、お隣の田子中学校との交流、どんどん進めます。田子小とももちろんです。よろしくお願いします。

さて、卒業式前日の同窓会入会式で卒業生に伝えたことです。みなさんにもよく理解していてほしい、覚えていてほしいと思って、改めて伝えます。

本校のDNAとして、個性尊重があります。それを象徴するものとして、この個性尊重について、こんなイメージでとらえてほしい、そう思ってスマホを持ってきてもらいました。

スマホで、「パウル・クレー グラジオラスの静物 宮城県美術館」で検索してみてください。

大丈夫ですか? 絵が出てきましたか? 時間をとりますから、じっくり見てほしいと思います。

私が今持っている「学校要覧」、この要覧は、普通生徒のみなさんに配るものではないので、やはりなかなか見る機会がないと思います。学校要覧は、現在創立24年目ですから、24号目になりますが、毎年この表紙に、このパウル・クレーの「グラジオラスの静物」という絵を利用しています。24年間、変えていません。ちなみにこの絵は、宮城県美術館所蔵の作品です。

 クレーは「色彩と線の魔術師」と言われるとおり、いろいろな色を使って、グラジオラスを表現しているのですが、一見、雑然と見えるかもしれません。規則性はほとんどありません。でもじっと見ていると、何かしら全体に調和が感じられてきます。せっかくなので、学校要覧の裏表紙に書いてあるコメントを紹介します。

この絵の中のさまざまな色や形は生徒一人ひとりをさしているとお考えください。この絵のように、それぞれの生徒がそれぞれの色や形に美しく輝く、これを支えるのが宮城野高校の仕事だと考えます。欲をいえば、この絵が全体として調和しているように、宮城野高校も全体として調和できていればいいと思います。でも、これは二次的なもの、まず第一は、生徒一人ひとりが輝くことです。表紙の絵をこんな思いで選びました。

 

自分の個性が少し沈みかけてきたら、あるいは元気が少しなくなりかけたら、この絵をじっと眺めて、またパワーをもらってほしいなと思います。

ところで、新年度に向けてです。25年目を迎えます。良い機会だと思いますので、本校のDNAはもちろん変更しませんが、「教育目標」や「教育方針」のところを少し文言整理します。先ほど伝えた「個性」という本校のDNAももちろん入っています。

教育目標  ①創造的自由と探究  ②個性尊重と自立 ③共生と奉仕

 

教育方針  ①進路目標の達成  ②自己教育力の向上  ③未来デザイン力の育成

 

時間の都合上、全部は説明できませんが、今日は「教育目標」の③「共生と奉仕」と、「教育方針」の③「未来デザイン力の育成」について説明します。

「共生と奉仕」の「共生」とは、「文化の違いや障害の有無等を超えて」ということになります。異文化との交流をはかる意味合いで、新年度は希望者による「海外研修」をスタートさせます。一次案内の文書が既に配布されているはずです。ぜひ積極的に手をあげてほしいと思います。また、「障害の有無を超えて」についてですが、これはもちろんバリアフリーの問題に関わります。奉仕の精神もまた本校の大事なDNAです。共生社会の推進、実現に向けて、みなさんもぜひ意識を高く持ってほしいと思います。

 また「未来デザイン力の育成」についてです。

唐突に「未来デザイン力」と言われても、「デザイン」とは何か、「未来デザイン力」とは何か、こういった疑問が普通に生じるはずです。

でも、本校のみなさんにとっては、どこかで聞いた言葉であるはずです。

ちなみに、総合学科の未来デザインプロジェクト(本校HP参照)には、こう書いてあります。

 

未来デザイン力=社会の抱える課題を解決し、よりよい未来社会を創造しようとする力

 

ここでは、「社会」となっていますが、自他の未来をしっかりとデザインできるようになってほしい、そういう願いをこめて、私は「教育方針」の③に「未来デザイン力の育成」を入れました。「未来」は、もちろん本校の大事なDNAです。また「デザイン」については、美術に限らず、広い意味でとらえてほしいと思います。とても勉強になった講話なのですが、先月、芸工大のボブ田中先生が総合学科1年次のみなさんに講話をされました。デザセンの説明会です。たぶん2年の総合学科のみなさんも昨年度同じような話を聞いていると思います。冒頭、デザインとは何かの説明がありました。田中先生は、こう説明されました。

 

(デザインとは)

「問題を解決するために何かを作り上げる行為であり、それによって人をしあわせにするものである。」

 

この後半の「 ~ 人をしあわせにするものである」、これがとても新鮮でした。忘れかけていたものが、そこにあったように感じました。

人の幸せな笑顔を自分の喜びとできる、そうして自分のしあわせと感じることができる、と捉えてもらってもいいです。

 

勉強すること、学ぶこととは、自他ともに、しあわせになることが目的。

そういうことをしっかりと心して、新年度を迎えてほしいと思います。

みなさんが新年度に元気な顔でまたここに集まってくれることを期待して、私からの話を終わります。

 

以上です。

 

午後からは、予備登校。合格者のみなさんと、保護者のみなさんが続々と集まってきています。

みなさん、今日の連絡をきちんと聞いて、高校生活をスタートさせてください。

今日は、このへんで。