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「舞姫」(校内卒展追加)

  昨日までの暖かい天気から、今日は一転して冬本番のような寒さ。冷たい雨が降り続き、雪にならないのが不思議なほど凍えるような寒さの一日でした。

 さて、朝の打合せ後に、国語の郷右近先生が校長室に現れ、3年現代文の「舞姫」の授業が佳境に入るので、ぜひ参観してほしいとのこと。渡されたのは、生徒が書いた感想文。「印象に残ったフレーズ」を抜き出して、書いたもの。それがクラス毎にまとめられています。生徒は、そのクラスの友達が書いたものを読んで、印象に残ったものを選び、グループで発表し合うもの。友達の意見を聞いて、自分の考えが深められるとすれば、一歩前進。お誘いを受けた1校時、37Hの授業を参観しました。

 なつかしいですね。鷗外の「舞姫」です。私も力が入りました。今の生徒は、どんな感想を持つんだろう? 興味津々のぞいてみると、まあ、すごいですね。感心です。

 

引用フレーズ

「我が母は余を生きたる辞書となさむとし、我が官長は余を生きたる法律となさむとやしけむ」

感想

“生きた辞書”や“生きた法律”のような言葉が私の中には今まで存在していなかったので、衝撃を受けたフレーズだった。自分の意志で学問に専念したり、政治学や法律を学んでいたら、本来は最大の褒め言葉のはずが、そう感じることが出来ずまことの我に目覚めた豊太郎の人生がどれほど所動的、器械的で冷めきったものだったのか感じた。言われたことを忠実に従い、敷かれたレールをそのまま進めば肩書き上は成功した人生を送ることができるかもしれないが、自分の意志に従うことが、どんなに失敗したとしても人生としてみては成功なのではないかと感じた。

 

これは、感想文集の最初にあるものです。以下、「舞姫」の中の、記憶に長く残るはずのフレーズがたくさん引用され、各自の感想がまとめられています。各グループ、活発に意見の交換がなされていましたが、幾分男子だけのグループの盛り上がりが目立っていました。小説自体、デリケートなところを抱えているため、男子だけとか女子だけのほうが、遠慮なくストレートに意見を出し合えるかもしれません。

 とにかく、久しぶりに「舞姫」の授業に立ち会えて、感激しました。懐旧の情にたっぷりひたることができました。郷右近先生、そして37Hのみなさん、ありがとうございました。

 

 卒展の校内展示12/4の様子を写真で紹介します。本日午後に出張から帰ってきたら、作品の入れ替えが行われていました。新しく展示された作品は、明日以降、紹介します。

今日は、このへんで。