卒業生の活躍/Alumni Success
☆卒業生の活躍☆014_jugoさん(美術科4回生)イラストレーター
▼ 現在の職業について
宮城のご当地キャラクター「仙台弁こけし」作者としてイラストや4コマ漫画を制作しています。仙台弁こけしは、河北新報PR大使、宮城県警採用広報キャラクター、仙台市消防団応援団長など様々な企業・自治体とコラボしています。2023年は『4コマ仙台弁こけし 仙台宮城 方言まるわかりB O O K』(小学館)を出版しました。
仙台駅や仙台空港、東急ハンズ仙台店などでグッズ販売しており、仙台弁こけしのほぼすべてのグッズ監修をしています。同じ宮城野生同士の夫婦で「仙台弁こけし」をプロデュースしています。
▼ 宮城野高校の後輩に伝えたいこと
私は宮城野生の美術科時代、油絵を専攻していました。毎日デッサンや油絵を描く中、「何のために絵を描くのか」を自問自答し、答えが見つからず悶々としていました。
答えがわからない中、もっと社会を知りたいと思い、美術の世界から離れ一般の大学へ行き、美術とは全く関係のない所に就職しました。その間は趣味程度に細々と絵を描いていました。31歳の時にLINEスタンプの制作をきっかけに「仙台弁こけし」というキャラクターを作り、現在に至ります。
みなさんにお伝えしたいのは、自分の好きなことを大事にしていれば、いつか思わぬ形になるかもしれない、ということです。一度離れた美術の世界ですが、細々とでも続けていたおかげで私は「仙台弁こけし」というライフワークができました。このキャラクターを大事に育て、広めていくことが、自分が絵を描く意味だと思っています。
高校時代はたくさん悩んでください。今しかできないことにチャレンジして、悩みながら自分の道を探してください。応援しています!
☆卒業生の活躍☆013_佐藤 寛和(さとう ひろかず)さん(普通科4回生) 会社経営・デザイナー
▼ 現在の職業について
本校卒業後、宮城大学へ入学、大学卒業後はオフィス家具メーカーやネットリサーチ・マーケティング会社等で働き、2017年にエントワデザイン株式会社を設立。現在は会社経営とデザインの仕事をしています。宮城のご当地キャラクター「仙台弁こけし」のプロデュース(キャラクター運営・グッズ開発)が主な業務です。
▼ 宮城野高校の後輩に伝えたいこと
宮城野高校で学ぶみなさんへ
私は現在、デザイン会社を経営しています。母校での経験が今の自分を形作っていると日々実感しています。高校時代、素晴らしい同期や先輩に恵まれ、社会人となった今でも交流が続いていて、私にとって大きな刺激や励みになっています。様々な個性を持つ仲間と出会い、互いに刺激し合える関係を築くこと。これは、皆さんの将来にとってかけがえのない財産になるはずです。
さて、宮城野高校の「自由」な校風について、皆さんに伝えたいことがあります。この「自由」は、単に好き勝手にふるまうことではありません。それは、世の中にある様々な生き方や考え方を知り、その中から自分らしい道を見つけ出す機会です。
基本を学び(守)、その枠を超えて新しい可能性を探り(破)、最終的に自分自身の独自性を確立する(離)。この「守破離」の過程を経て初めて、本当の意味での「自由」を手に入れることができるのではないかと思います。
「遊び」も大切です。「遊び」は単なる気晴らしではなく、「創造性」や「革新」の源泉です。学業に真剣に取り組むのと同様に、自分の興味や好奇心に従って様々なことに挑戦してみてください。そこから得られる経験は、将来必ず活きてくるはずです。また「深く掘り下げる力」を養ってほしいと思います。体力、集中力、継続力が必要です。困難に直面しても諦めずに追求し続ける底力は、あなたを支えてくれることでしょう。
みなさんには無限の可能性があります。ぜひ自分自身の道を切り拓いていってください。その過程を心から楽しんでください。
みなさんの挑戦と成長を、心から応援しています。
☆卒業生の活躍☆012_三保野 達也(みほの たつや)さん(総合学科10回生) 公務員(宮城県高校教諭)
○現在の職業について
現在は高校の教員として働いています。
宮城野高校を卒業後、立教大学文学部(日本文学専修)に進学しました。その後は宮城県に戻り、国語の講師として勤めた後に高校教諭として正式に採用されました。現在は蔵王町にある蔵王高校で進路キャリア形成部長を務めています。
国語教師として教壇に立ちながら、就職・進学を目指す生徒たちの進路指導を担当しています。人生の重大な選択に立ち会う仕事であり、常に責任を感じていますが、日々成長していく生徒たちの姿がやりがいとなっています。
○宮城野高校の後輩に伝えたいこと
ありきたりなメッセージですが、やってみたいと感じたことに思うまま挑戦してみてはどうでしょうか。
高校時代を思い返すと、住み慣れた地元から生活圏が離れ、初めて関わる人や場所から多彩な刺激を受けた時期でした。触れるもの全てを新鮮に感じていた当時の感覚は、大人になった現在の私からは失われてしまった一過性のものです。ぜひ今のうちに、多種多様な体験を自分にさせてあげてください。
高校生のうちに熱中したことは、きっとその後の人生を形成していく大きな要素になります。「これがやりたい」、「これが好き」という気持ちは、生き方や職業の選択に大きな影響を与えるからです。そこまで大げさではなくとも、長く続けられるような趣味が一つ見つかるだけで日々の生活は豊かになります。皆さんが宮城野で過ごす日々が、自分の「好き」と出会える時間であることを願っています。
☆卒業生の活躍☆011_匿名希望(総合学科15回生)会社員(製薬企業 製剤研究職)
○現在の職業について
宮城野高校を卒業後は群馬大学工学部に進学し、同大学院で理工学を専攻していました。現在は製薬企業で製剤研究に携わっています。高校在籍時から製薬企業での勤務を目指していたのですが、就職活動を通して現在の職種を希望することを決めました。
私の所属している部署では製剤の処方検討を行うチーム、製剤の品質を担保するための規格や試験方法を設定するチーム、工業化検討を行うチームなどがあり、携わる業務は医薬品の開発ステージの多岐にわたります。そして私が所属するチームでは主に製剤の処方検討を担当しており、分析法の検討もしたり、薬事の知識も必要になったり、日々勉強の毎日を過ごしています。
○宮城野高校の後輩に伝えたいこと
進学、就職など皆さんはこれからたくさん選択しなくてはいけない場面に直面することになると思います。その時に大切なことは、皆さんの何をしたいかという気持ちだと思います。宮城野高校では自由が故に、選択肢が多くなりすぎ悩むこともあるかと思いますが、私は何事もとりあえずやってみることも大切だと思います。やってみないと見えないこともありますし、仮に失敗したなと思っても大抵のことは後からなんとかなります。失敗した経験も財産になります。ただ直感も大切ですが、一つおすすめするとしたら、ぜひ一度自分がしたいことの解像度を上げてみてください。たくさん調べて考えて、自分のビジョンがクリアになるほど選択に自信が持てるようになると思います。また、自分がしたいことの軸を持った上で、世の中の流れにも目を向けてみてください。今、世の中は大きな変化の中にあると感じています。その中で自分は何をできるか、何がしたいか、突き詰めることでそれは自分らしさであり武器になると思います。ぜひ、いろいろなところにたくさんアンテナを張ってみてください。
また、上記と矛盾してしまうかもしれませんが、いろいろ知る程にやりたいことはだんだん変わったりもします。今を、そしてこれからを自分なりに楽しむことを一番にたくさん悩んでみてください。
最後になりますが、私がいろいろと挑戦することができたのは、家族や周囲の方のサポートがあったからです。皆さんにも味方はたくさんいます。感謝を忘れずたくさん頼ってください。
皆さんのこれからを考えるきっかけになれば嬉しいです。
☆卒業生の活躍☆010_日野 沙耶(ひの さや)さん(美術科15回生)大学助手
○現在の職業について
私は宮城野高校美術科を卒業後、筑波大学芸術専門学群日本画専攻に進学し、同領域で大学院まで進みました。その中で日本画の成立や形式に疑問を持ち、古典を学ぶ必要を感じたことから、修了後にさらに京都市立芸術大学の大学院保存修復専攻へ進学しました。その後は秋田公立美術大学美術教育センターの助手となり、現在も助手として働いています。ここでは主に資格課程(教職、博物館学芸員)や教養授業のサポート、研究活動等を行っています。
○宮城野高校の後輩に伝えたいこと
文化財保存修復分野では、材料分析や修復材料開発のために科学的なアプローチも行われています。私も保存修復専攻に在籍していた時、伝統的な絵画技法や修復技術の習得だけでなく、科学調査も行いました。そこで自分の専門である美術以外の分野―科学の基礎的な知識が必要になり、高校で学んだことはこういうところで繋がってくるのだと実感しました。興味関心の有無に関わらず、あらゆる分野の基礎に触れられる高校での学習は貴重だと思います。今自分が学んでいるものが自分の専門分野とどう関わるか、どのように社会で利用されているのかという視点を持つだけでも、学習の取り組み方が変わるのではないでしょうか。
美術科の皆さんにおかれましては、美術以外の分野にも目を向けると、新たな発見や表現のヒントがあるかもしれません。宮城野高校の美術科は、先生方のご指導の元、美術に打ち込める貴重な環境です。ぜひこの環境を活かし、視野を広く持って、表現活動に取り組んでみてください。