2018年12月の記事一覧
『猫はしっぽでしゃべる』
夜明け方、小雨がぱらついたのでしょうか? 庭先が雨に濡れていました。気温が高い分、凍結もせず、乾燥していた空気に、ほどよい湿り気が加わって、過ごしやすい一日でした。明日まで平年よりも気温の高い日が続くようですが、週末にかけてまた寒さが戻ってくるようです。体調管理に気をつけて過ごしましょう。
さて、出張先の熊本の小さな本屋さんで素敵な本を見つけてきました。
『猫はしっぽでしゃべる』
田尻久子さんの本です。
帯にはこう書かれています。
熊本の〈小さくて不便な本屋〉橙書店。
看板猫と共に日々店に立ち、人と人、人と本をつないできた店主による
本と猫と記憶にまつわる初めてのエッセイ集。
「人と人、人と本をつないできた店主による ~」とあります。おそらく私がお店にお邪魔した時間にカウンターにいらっしゃった、凜とした素敵な女性は、田尻さんであったろうなと、勝手に想像しています。話しかけてもよかっのですが、そのときは羞恥心が勝りました。すみません。
本を開くと、目次の前に、「開店のお知らせ」が書いてありました。心をこめて書かれた文章だと思います。気がひけますが、自分が授業を持っていたら、たぶん明日の授業の一番最初に紹介するだろうと思います。なので、ここで本校の生徒のみなさんに紹介したいと思います。
小さな本屋をつくりました。
たとえば、
繊細な切子のガラス
素朴であたたかな焼き物
凜として美しい漆腕
そういった ひとつひとつを選ぶとき
大切に そっと 手に取ります。
心を込めて作られたものですから。
「一冊の本を選ぶときも、そうであってほしい」
そんな気持ちで、つくりました
言葉を紡ぐ人
絵を描く人
写真を撮る人
本の顔を作る人
それを一冊にまとめあげる人たち
一冊の本もきっと、心を込めて作られています。
大切に売りたいので、たくさんは置いてありません。
不便な本屋かもしれません。
探している本は見つからないかもしれません。
でも、旅先でふと出会う人や風景のように
本と出会える本屋でありたいと思います。
場所は「orange」の隣、名前は橙書店です。
近くにお越しの際は、ふらりとお立ち寄りください。
主人敬白
このような「開店のお知らせ」で始まる素敵な本に出会えたことに感謝です。
紹介したいところは、たくさんあるのですが、今日はこのへんで。