2019年1月の記事一覧
あの日に伝えられなかったもの・・・「いしぶみ」
放課後に、宮城野高校新聞サークル所属の生徒3名が校長室にやってきました。3月に発行する宮城野高校新聞に掲載したいので、ぜひインタビューさせてくださいというお願いです。ウワーという感じです。羞恥心の塊の小生は、口重たく、まともなインタビューにならないと思ったのですが、新聞記者魂に燃える3名の記者に、言葉巧みにのせられ、ついついいろいろとしゃべってしまいました。中身は、3月発行の新聞に掲載されます。すみません。今村先生の検閲力に期待します。
さて、1/7の記事に、実は別原稿を用意していましたよ、後日紹介しますよと予告しました。忘れてしまうといけないので、今日、早速紹介します。
あの日に用意していた別原稿のテーマは『いしぶみ』でした。去年11月末の熊本出張の際に手に入れた絵本です。「文 小山薫堂 絵 黒田征太郎」とあります。帯には「この絵本は、映画『おくりびと』から生まれました。」と書かれています。そして帯全体は、映画「おくりびと」のワンシーン、本木雅弘扮する主人公が、その奥さん役の広末涼子に、「いしぶみ」をプレゼントする、とてもナイスなワンシーンの写真です。映画『おくりびと』をご覧になった方は、覚えていますか?
表表紙の袖には、「それは それは 僕の一生なんて ひどいものです。 でもね 仕方がないのですよ。 ぼく 石ころだから。」と書かれています。一方、裏表紙の袖には「でも、ね。 こんなぼくにも ひとつだけ 自慢できるものがあります。 いまから 何千年も、何万年も前の おおむかし。 人々がまだ言葉をしらなかったころ ぼくは手紙として かつやくしていました。」とあります。石ころの手紙、それがタイトルにある「いしぶみ」です。
ページ数、60P。左側のページに言葉がゆったりと連ねられており、右側にかわいらしい「いしぶみ」さんの絵が載っています。
せっかくなので、少し紹介します。途中からです。
みんな言葉を知らないから
元気にしてる? とか
さみしくない? とか
ごめんなさいも 言えません。
そんなとき 自分の気持ちに似たかたちの
石ころをさがして 相手に渡すのです。
げんこつのように大きな石。
南天の実のように小さいけれど
まんまるの石。
つるんとした石。
握りしめると痛いくらいに とがった石。
それぞれの石に
人々は自分の気持ちを重ねました。
え? ぼくの役目?
ぼくがいつも伝えていた気持ちは・・・
I LOVE YOU.
ですよ。
完璧にまぁるいわけじゃない。
でもギュッとにぎりしめると
心が落ちつくような形。
スベスベしていて 安心するさわり心地。
たまにはカチンとぶつかるけど
まっぷたつにならない強さ。
適当な重さもよかったみたい。
もう少し続くのですが、後半は明日に。
新聞サークルのみなさんへ。少しばかり、私からお礼の絵本と思っていただければうれしいです。
今日は、このへんで。