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2019年2月の記事一覧

宮城野白書

 昨日で定期考査が終わり、在校生は今日明日と30分刻みの時程で考査返却です。今日は7コマ、明日は3コマ実施され、その後はいよいよ卒業式の準備となります。

 在校生は、定期考査が終わったので少しリラックスした表情でした。そういう在校生から、卒業生への配布物となる「宮城野白書」をいただきました。編集に携わったボランティアのみなさん、お疲れ様でした。小生の巻頭言は、たっぷり2ページ分、書かせていただきました。卒業生のみなさん、ぜひ読んでくださいね。もちろん在校生もです。明日は、「宮城野高校新聞」も配布されるとか。少しにやついて写真を撮られてしまったようです。恥ずかしいです。みなさん、ごめんなさい。

 バタバタしているうちに、卒業式の式辞がなんとか完成。つっかえないように自宅で練習してきます。明日は、まず同窓会の入会式。いよいよ本番です。卒業生のみなさん、いまのところ、当日は雨ではないようです。雨男をすっかり返上です。みなさんのおかげです。

 今日は、このへんで。

 

是枝裕和氏・・・「ヌガー」

 第4期定期考査が終わりました。生徒のみなさん、お疲れさまでした。手応えは、いかがだったでしょうか? 終わったからといって、安心することなく、次の学びに進んでほしいと思います。3月は、後期入試期間が続くため、登校が必要でない日が長く続きます。計画的に学習を続け、新年度につなげてほしいと思います。さらには、この3月は、教科書から離れた学習も必要かもしれません。長い小説にチャレンジするというのもよろしいかと思います。

 ちなみにです。昨日今日と、国公立大学の二次試験がありました。ネットで見ると、主な大学の二次試験の問題を見ることができます。国語科の教師としてしばらくやってきた自分としては、やっぱり見てしまいます。

 ということで、たとえば京都大学の国語の問題には大岡信と谷川俊太郎の対談『詩の誕生』からとられています。文章自体は、対話文ですからとても平易です。読みやすいです。その分、詩というものに対する一定レベルの理解が必要です。

 一方、東京大学です。有名な大問四。今年は、是枝裕和氏の『ヌガー』からとられています。エッセイに近い文章です。「迷い子になった。」で始まる、ある意味で「迷い子」についての是枝氏の考え方がエッセイ風に書かれています。ところで、是枝裕和氏と言われて、すぐ「万引き家族」が思い浮かぶでしょうか? 氏は、もちろん「万引き家族」を作った映画監督です。日本時間で、アカデミー賞が昨日発表でした。期待されていたのですが、残念ながら受賞を逃しました。でも、今、日本で、というより世界中から注目される映画監督の一人です。その方のエッセイが東京大学の二次の問題に登場しました。これだから、本読みはやめられません。映画もまた。この是枝氏の文章を問題文として採用した東京大学に敬意を表したいと思います。大問四の精神は、しっかり継承されています。

せっかくだから、問題文の後半部分を紹介します。

 

 前半 略

 

 迷い子になったときにその子供を襲う不安は、両親を見失ったというような単純なものでは恐らくない。それは、僕のことなど誰も知ることのない「世界」と、そしてその無関心と、否応なく直面させられるという大きな戸惑いである。その疎外感の体験が少年を恐怖の底に突き落とすのだろう。自分を無条件に受け入れ庇護してくれる存在の元を離れ、「他者」(それが善意であれ、悪意であれ)としての世界と向き合う――人が大人になっていく過程でいずれは誰もが経験しなくてはいけないこのような邂逅を、予行演習として暴力的に体験させられる――それが迷い子という経験なのではないだろうか。だからこそ迷い子は、産まれたての赤ん坊のように泣き叫ぶのだ。たったひとりで世界へ放り出されたことへの恐怖から、これでもかと泣くのだ。そして、どんなに泣いても、もう孤独に世界と向き合っていかなくてはいけないのだと悟った時、少年は迷い子であることと訣別し、大人になるのだと思う。その時を境にして、母は、自分を包み込んでくれる世界そのものではなく、世界の片隅で自分を待っていてくれるだけの小さな存在に変質してしまう――。かつて迷い子だった大人は、そのことに気付いた時、今度はこっそりと泣くのである。

 

後半  略

 

問一 ~ 問三 省略

問四 「今度はこっそり泣くのである」とあるが、それはなぜか。説明せよ。

 

この問四に対して、どんな解答が可能なのか。受験生は、どんな解答を書いてくるのか。採点官の快感や、いかに。

 

今日は、このへんで。

 

2回目の学校評議員会開催

 今日、2/25の最高気温は15度。ちょっとびっくりです。週末に自宅の鉢植えの梅も一輪、開花しました。江戸時代の嵐雪様は「梅一輪一輪ほどの暖かさ」と詠みました。これから少しずつ暖かくなってゆく、それがなんか一気に春がきたような陽気です。本当にこのまま3/1を迎えたいものです。

  さて、今日は2/25は、国公立大学の二次試験前期日程初日です。ところが、朝テレビをつけたら、首都圏の中央線、総武線が停電でストップというニュース。これは大変だと思いました。都内の国公立大学の受験生は大混乱だと思います。都内の多くの大学で、試験時間の繰り下げや、遅刻した受験生に対して別室受験を認める等の対応がとられたと、ニュースで伝えていました。本校生徒も何人かが都内の大学受験に向かっているはずです。大きなトラブルなく、受験できていることを祈りたいと思います。

今日は、定期考査三日目。本校では大きなトラブルもなく、生徒は順調に定期考査に取り組んでいるようです。明日で最終日となります。最後まで粘り強く向き合ってほしいです。

14時からは、学校評議員のみなさん、5名にお越しいただき、今年度2回目の学校評議員会を開催しました。生徒・保護者・教員の学校評価アンケートの集計結果の報告や、学習指導・生徒指導・進路指導についての説明や質疑応答後、自己評価結果を見ていただき、学校関係者評価をしていただきました。それぞれの評議員さんから本校の学校運営について、心温まるご意見やご指導をいただきました。評議員のみなさん、年度末のお忙しいところ、ありがとうございました。いただいたご意見は、今後の本校の教育に生かしていきたいと思います。

 

本日、お昼過ぎに、読書感想画コンクールで文科大臣賞を受賞した3年次の岩渕伶奈さんが、表彰式の報告にやってきました。2/22に東京の如水会館で、300名を超える出席者のもと、表彰式に臨んだそうです。毎日新聞には、表彰式当日の2/22の朝刊に掲載されていました。岩渕さんは受賞者を代表して朗読もされたとか。表彰式には、ご両親も出席されたそうで、お父さんお母さんと撮った写真は、とても晴れ晴れとした笑顔でした。おめでとうございます。岩渕さん! 校長室に飾ってあった黒電話式の蚊取り線香も、本日持ち帰っていただきました。岩渕さんのますますの活躍を祈りたいと思います。

今日は、このへんで。

 

 

 

 

 

 

 

25周年記念事業テーマ、決定

 昨夜、帰りがけに職員玄関を出たら、大きなお月様が出てきたところでした。十六夜の月かなと思うのですが、とにかく雲に隠れてスーパームーンを見ることができなかった分、十六夜さんであっても、とても大きなお月様で、思わず携帯のカメラを向けてしまいました。

 さて、今日もポカポカ陽気です。夕刊の情報だと、3/1まで10度前後のこの陽気が続くようです。よかったですね。卒業生のみなさんの日頃の行いがよろしいのかと思います。梅が福島まで開花しているようなので、宮城も間違いなく開花宣言が出ると思います。楽しみにしましょう。

さて、本日のタイトルでお分かりのとおり、25周年記念事業のテーマが、2/16(土)の第2回実行委員会で決定しました。そのタイトルは、下記のとおりです。

 

 25周年記念事業テーマ

         大庭にまこう『sowzoU』の種 

                   ~未来に輝く宮城野の花~

 

 これについては、生徒の意見も広く求めようということで、生徒からアンケートを取り、そこで出てきた文言をできるだけ取り入れる方向で議論しました。また、本校には「輝く宮城野」「挑戦」「共生」などのイメージ、「種を蒔く」「未来への芽を出す」イメージがあるという意見や、クリエイティブ・創造性・個性が尊ばれてきたなどの意見が出されました。また、宮城野高校の校歌がことばとして凝縮しているという意見も出されました。

そうした議論を経て、「大庭に蒔こう創造の種」をたたき台にしようということで、いったんまとまりました。

ここから、さらに議論を進めた結果、

「蒔こう」は、固定感を与えないよう「まこう」にする、

「大庭」は、宮城野高校での学びを指す、

「創造」は、「想像・創造」と多義に付き、「souzou」「sowzow」などと検討を重ねた結果、

「sow」に「種を蒔く」の意味を重ね、さらに「zoU」として、 Uは「You」を表すものとする、

よって、

「sowzoU」

と表現する、

さらに、将来の開花の土壌としての宮城野高校とそこでの学びを示すものとして「種」を加える、

よって、

大庭にまこう『sowzoU』の種 

と、まとまった次第です。

 

さらに、議論が深まり、サブテーマも設定して、イメージを強化したいという意見が出てきました。

そこで、「輝く」・「宮城野(風・流)~」・種に対して開花・花を取り込んではというところで、

 

~未来に輝く宮城野の花~ 

 

にサブタイトルが決定しました。

 

どうでしょうか。校歌の「大庭」。「sowzoU」の種という、新しい「sowzoU」の活力が湧き出るようなフレーズ。そして「未来に輝く宮城野の花」というサブタイトルには、「未来」とか「輝く」とか「宮城野」という学校名とか、自分たちに最も身近なことばがそのまま生かされて、最後に「花」とまとめられているところが、とても自分にとっては響きの良い言葉として聞こえてきます。

このようなすてきなタイトルをつけていただき、心から感謝申し上げます。

25周年に向けて、とてもうれしいプレゼントをいただいたような気持ちがします。

実行委員会の委員のみなさんには、週末のお休みのところ、お集まりいただき、いろいろと協議をいただいているところです。ありがとうございます。今後とも、よろしくお願いします。

 

今日は、このへんで。

 

デザインとは・・・

  先日、2/19は、二十四節気の一つ、「雨水」。立春から数えて15日目頃で、空から降るものが雪から雨に変わり、氷が溶けて水になる、と言われてきたそうです。そういえば、東京では昨日2/20に最高気温が20度を超え、屋外のスケートリンクが溶けてしまって閉鎖になったとニュースで言っていました。こちらもポカポカ陽気。そういう中で、第4期の定期考査が今日2/21にスタートしました。1・2年次生のみなさん、手応えはどうでしたか。今年度最後の定期考査です。しっかりと汗をかいて、最後に成績をどーんとアップさせて今年度を締めくくりたいものです。

そういえば、「雨水」を調べていたら、この頃に雛人形を飾ると良縁に恵まれると言われてきたそうです。雛人形・・・懐かしいですね。おばあちゃんちに置いてきたおひな様は、さて、どうなっているのでしょうか? 私は、雛というと芥川の書いた「雛」という短編が思い出されます。あまり有名ではない作品ですが、芥川らしいと言えば芥川らしい作品です。それほど時間がかからずに読めるので、定期考査が終わって、雛祭りが近づいたら、どうぞ読んでみてください。

昨日2/20は、東北芸工大の企画構想学科のボブ田中先生をお招きし、1年次の総合学科2クラスの者たちが、先生から東北芸工大が主催する「全国高等学校デザイン選手権大会」(通称デザセン)の概要について説明を受けておりました。これは、1年次の総合学科の生徒たちが、「産業社会と人間」の授業の一環として、今年1年間の探究活動の成果をもって「デザセン」に応募するというものです。芸工大の学生さんにも8名来校していただき、実践的なレクチャーをしていただきました。先輩らが輝かしい実績を残している大会です。現役の1年生もぜひ先輩に続いてほしいと思います。

ボブ田中先生が講話の最後に、このようなすてきな言葉を本校生徒に残してくれました。

「デザインとは・・・人をしあわせにするものである。」

そのようなデザインを本校生が残してくれたら最高です。頑張ってください。

 

今日はこのへんで。