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2018年11月の記事一覧

「想像力」の行方

 「ハナキン」ですが、雨模様の一日でした。幸い明日は前線が抜けるので、晴れそうです。その明日土曜日は、いよいよ創立25周年記念実行委員会設立のための第1回委員会。本格的な準備のスタートです。午後には、PTA研修会ということで、おいしい韓国料理教室が開催されます。おなかいっぱいにしたいです。

また、あさって日曜日には、勾当台公園や県庁で「さんフェア2018」が開催されます。県内専門高校で学ぶ高校生の祭典です。私は、農業高校で育てられたシクラメンをいつもここで購入しています。楽しみです。藤崎デパートでは、特別支援学校の総文祭も開催されます。「みやぎ総文2017」では、すばらしい演技発表や展示作品で大好評でした。これもとてもたのしみです。

 さて、小論文です。情報系の問題では定番の「IT革命」の資料文が出されたとします。ネットの時代です。そのメリット、デメリットをしっかりと書けないとアウトです。

 「ネットはとても便利だ、しかし、〇〇なデメリットがある。これに気をつける必要がある」。このような流れで、すぐ書けます。そしてデメリットの部分に、「想像力が欠如してしまうことが懸念される」と書いたとします。「想像力」という言葉を書けただけでも、立派です。しかし、そこから広がらない。せっかく「想像力の欠如」を訴えながら、一歩も先に進めない。深まらない。そういう小論文答案が多いです。想像力は、人間にとって、これこれの点でとても大事だ。しかし、この力が弱まると、〇〇になってしまう。そういうところで切り込んでいく力がない。ここで何か具体例(良い例、あるいは悪い例)をもって書ける人は、それなりに高い評価が得られると思います。

 ということで、今日はこのへんで。

 

 

 

 

 

 

「無言館」

  小中高の国語の連絡協議会を名取北高校でやってきたところです。改めて小学校・中学校の先生方の発表を聞いて、改めて小学校中学校の先生が一人一人に対応した丁寧な指導や支援を行っていることに深く感じ入った次第です。高校でももっともっと意識改革が必要ですね。

 さて、昨日の続きです。

 教材として扱ったところは、史実としてのレイテ島での戦いや小説「野火」です。玉砕していった多くの日本軍兵士に対して、「自分と違う世界に生きた人たち」といった印象を抱くのが、今のほとんどの高校生だと思います。その高校生に対して、あの兵士たちも実は自分たちとほとんど変わらぬ感情を持っていた人たちだと肉薄できるか、このあたりが大きな課題だと私は思います。

 実は、この夏、信州総文祭2018に出席し、上田市の美術・工芸部門を視察した後、同じ上田市内の郊外にある「無言館」を訪れました。私にとって若かりし時に初めて訪問して以来、二度目になります。あの美術館に展示してある若き戦没画家が残した絵画を見たときに、私は、あの戦争で死んでいった方々も、みんな自分たちと同じく、肉親や奥さんや恋人に変わらぬ愛情を抱いていたと実感できました。みなさんも機会があったらぜひ訪れてみてください。写真やカタログで見るのと、実際にあの無言館に入って見るのとでは、やっぱり全く迫ってくるものが違います。

 今日は、このへんで。

 

大岡昇平と中原中也

 今日は立冬。冬の始まりですね。先週の青森出張で、青森市内の女子高生がマフラーを巻いて登校しているのを見て、早いなあと思ったら、ここ仙台も、もうマフラーが欲しい季節ですね。この季節、日ごとに冬を実感させるものが増えてきて身が縮こまる気がするのですが、それでいて初冬の花が凜とした美しさを見せてくれる季節でもあります。我が家の小さな庭では、柊の白い花が咲き始めました。よく気をつけないと気付かない花です。早咲きのピンクの椿も咲き始めました。

視覚に訴えるものというと、本日は、廊下の「とめ・はね・はらい」のポスターに目がとまりました。来週からですね、美術科のみなさん。大丈夫ですか? 楽しみにしていますよ。頑張ってください。

 さて、今週は、授業公開週間ということで、日本史の川崎先生と国語の伊勢先生がコラボで授業するのを見せてくださいました。なんと現代文では「野火」(大岡昇平著)を扱い、日本史では太平洋戦争末期、日本軍がレイテ島で玉砕したあたりを扱ってくれました。大岡昇平様というと、野火や俘虜記も有名ですが、中原中也の研究家としても有名ですね。氏が中原中也の思い出を語ってくれたのを読んで、私はしばらく中也にとりつかれ、しばらく世の中に出ることをためらっておりました。こんなことを書くと、長くなりますので、今日はこのへんで。明日は、小中高の先生方で国語の研究会です。

 

『我々はなぜ我々だけなのか』

 朝からどんよりとした曇り空。午後からは霧雨模様。こういうのを小糠雨(こぬかあめ)というのでしょうか。まちがっていたらごめんなさい。季節に限定されない言葉だと思うのですが。今日、火曜日の7時間目は、LHR。クラスによっては、BBQというのがありました。7時間目が始まる頃に、キャーと叫んで、体育館裏に駆け込む生徒がいたようなので、決行したのかも。天気が良くなくて、残念でしたね。味は、どうでしたか? ところで、倉庫に保管されていたバーベキュー用のドラムセットは、私が20年ちょっと前に、やはりクラスのBBQのために購入したものであるとは、この「校長通信」のどっかで書いたような・・・。天気が良ければ、この季節のBBQは最高ですよね。来週もいくつかのクラスで予定されているようです。みなさん、楽しみに。

 さて、講談社のPR誌「本」の11月号に、川端裕人氏が「『人類学の先』のビッグヒストリーへ」というタイトルでとても興味深い記事を書いています。内容は、氏の『我々はなぜ我々だけなのか』(講談社のブルーバックス)という本が講談社の科学出版賞を受賞されたということで、その本の内容紹介になっています。我々とは、つまりホモ・サピエンスとしての我々です。人類史を大きな視点でとらえれば、多様なヒトがかつては存在していた。その多様なヒトの中で、なぜ我々ホモ・サピエンスだけが生き残ったのか・・・。オモシロイですね。身長わずか110センチの「フローレンス原人」のことも書かれています。わずか4ページの記事ですが、久しぶりにワクワクして読みました。これから学問の世界に入っていけるみなさんがうらやましいです。

 今日は、このへんで。

 

「あと75日」

 久しぶりにこの「校長通信」に戻ってきました。先週末は二泊三日の青森出張があり、週末をはさんでしまったので、11月になってから初めての「校長通信」です。先週末、生徒のみなさんは三学年そろって模擬試験。文化の日の模試の手応えは、どうだったでしょうか? 特に3年生は、マーク模試でしたね。そろそろ時間を意識して、本番並みのスピードと正確さが要求されるころ。焦りまくっているのが正直なところかもしれません。でも、ここで冷静さを失ってはいけません。某所の玄関先には「センター試験まであと75日」と大きく表示されていました。そこから私は勝手に想像しちゃいます。「一日5点アップするくらいの勉強をすれば、本番まであと何点アップするか?」などと無茶な計算してしまいます。でもこれが無茶ではないんです。3点でも2点でもかまいません。自分の目標点が何点で、そこに達するまでのロードマップをしっかり描くこと。「あと75日」は、現役生にとって、「まだまだやれる75日」です。

 

 さて、青森での総合学科の全国研究大会は、とても熱い大会となりました。すごかったです。青森県のパワーのすごさを思い知らされてきました。私は、木造高校に行ってきました。OBのお相撲さんでは、舞の海の出身校です。校長先生は、剣道の達人です。本校の遠藤光一教頭先生をさらに15センチくらい高くした感じの、ビックな方です。でも笑顔が素敵な、とても心優しい方でした。生徒のみなさんは、一年次はディベート、二年次は「地域と関わり、地域を知る」グループ研究、3年次は課題研究の中間発表でした。全学年全教室でそれぞれに熱心な議論が交わされ、青森の高校生のパワーに圧倒されてきました。宮城野高校に活かせるものをたくさんもらってきました。青森県の高校生のみなさん、ありがとうございました。

 今日は、このへんで。