2018年12月の記事一覧
「おだずもっこ」
先日12/20の河北新報「声の交差点」欄を読んでいたら、とても興味深い投稿があったので、紹介します。タイトルは「方言使える中学生に感動」。塩釜市在住の方からの投稿です。
先日、中学生5、6人と雑談をしていたら、1人の男の子が「おだずもっこだごだー」と突然言った。周りの子どもたちは何の意味か分からず、ぽかーんと
していた。
思わず、クスッと吹きだした。久しぶりに聞いた。続けて彼は「おだずもっこしてると、ごしゃがれっからなー」と。周りの子たちは外国語でも聞くよう
にあっけにとられて、きょとーんとしていた。
何と響きのいい言葉だ。亡き祖父母のことを思い出した。「いま言った言葉はどこで聞いたの」と彼に尋ねてみたところ「家のじいちゃんが時々、弟に言っ
ているよ」とのことだった。
「意味分かる?」と聞いてみた。「ふざけてばかりいると、怒られるから」というようなことを答えた。
10代半ばの中学生が、方言を知っていることさえ驚きなのに、それを会話の中で使えることに感心し、感動した。きっと、3世代の家族の中で普通に会話
しているのだろうと、家族のぬくもりを感じた。
【 後半 省略 】
学校は冬季休業に入りましたが、あさっての28日までは実力養成講座。3年生は、センタープレです。3年生はもちろんクリスマスどころではなかったはず。これから迎えるお正月も、なかなかゆっくりできないところですが、少しの時間でも家族そろって方言を交えながらこの一年を振り返る時間を持ってほしいなと思います。投稿された方も、最後のほうで「方言は地方の文化そのもの」、「いつまでも語り伝えてほしい」、「温かい言葉でもある」と書いています。言葉を大事にして、この一年をゆっくりと振り返り、また新年に迎えてほしいと思います。
今日はこのへんで。
全校集会
昨日は、冬季休業前の全校集会がありました。私からの講話の概要を掲載します。寒いところ、我慢して聞いてくれて、ありがとうございました。
校歌も、寒さにめげず、大きな声で歌ってくれました。ありがとうございます。みなさんがまた年明けに元気な顔を見せてくれることを祈って、結びとします。
みなさん、改めまして、こんにちは。冬季休業前の全校集会にあたって少しばかり話をさせていただきます。今年もいよいよ残りわずか。明日は冬至を迎えます。本格的な冬となりますが、冬至以降は、少しずつ日が長くなるわけですから、気が早いのですが、ぜひみなさんには、春を迎える準備を少しずつしてほしいなと思います。特に3年次のみなさんは、進路実現に向けて、着実に前進してほしいと思います。まもなくセンター試験。多くの生徒が受験します。夏場に、信念という話をしました。受験は団体戦であると同時に、一人になる勇気を持てという話もしました。みなさんの栄光を信じています。ちなみに、太宰府ですが、夏にも行ったのですが、この冬にも行きました。おみくじをひきました。人生初めての大吉でした。みんな、大丈夫。自分の力を信じて、頑張って欲しいなと思います。
さて感動と満足という話をします。
みなさんは、幸せを求めるときに、どちらに重きをおきますか?
もしかしたら、満足度の高い生活に重きを置く人がいるかもしれません。
でも考えてみれば、満足というのは、すぐ飽きます。おいしいものをおなかいっぱい食べたときの満腹感をイメージしてください。いったん満腹になってしまうと、目の前においしいものをならべられても、食べる気はおこらなくなります。
それに反して、感動です。
感動を作り出す、見つけ出す、それはみなさんの工夫次第、アイデア次第です。
どんな学校でも、工夫次第で感動を作り出し、その感動をみんなで共有することができます。
視点を変えれば、身近に意外と簡単に見つけられるかもしれません。
その感動が心に長く残って、心の支えになるかもしれません。
幸せ感というのは、そういう感動の積み重ねが大事だと思うのです。
そういう感動をいっぱい味わえる学校作りを、来年は推進したいなと思っています。
新年明けに、改めてみなさんの元気な顔を見ることができることを期待して、あいさつとします。
中国からの視察団の方々、来校
今日は、朝一番でお隣の中国からお客様が本校に見えられました。中国からの訪日教育旅行誘致促進事業の一環で、視察団の方々13名が9時頃から10時30分頃まで、本校美術科を中心に見学されました。私自身、中国というと、1回生の担任をしていたとき、中国から本校に入学し、幾多の困難を猛勉強して乗り越え、見事関東の国立大学の工学部に合格されたR君のことを思い出します。最初、なかなか日本語が話せなかった彼も、卒業する頃には、かなり日本語が上達していました。数理系の教科に強かった彼が今どんな仕事をしているのか、たぶん相当活躍しているかと思いますが、もう一度会ってみたいなあと思った次第です。
下の写真は、帰られる際に記念に本校玄関前で撮った写真です。お許しをいただいたので、アップします。みなさん、とても熱心に見学されました。本校に対して、どんな感想を抱いたか、ぜひ聞きたいものです。今後とも、よろしくお願いします。
ダンスサークル「クリスマスライブ」&校内卒展展示第二弾その2
今日の昼休みには、ダンスサークルのみなさんが、「クリスマスライブ」を柔剣道場で開催。最初から見に行きたかったのですが、会議が重なっていて、ごめんなさい。ぎりぎり最後のチアリーディングステージの後半に滑り込みセーフ。実際に見学できたのは5分ほどでしたが、その華麗で、俊敏、ワクワクするようなステージにびっくりしました。つい先日福島県の総合文化祭でのチアリーディングを見てきたばかりですが、その福島県の優秀校公演に匹敵するような本格的なステージでした。先生方に聞いたのですが、去年の先輩方は、ダンスの全国大会にも出場したとか。その技と心を見事につないでいました。観客のみなさんも大ノリでしたね。このようなライブ公演を昼休みの短時間で実施できるのは、宮城野ならではのものだと思います。ぜひ次の後輩へつないでほしいと思います。
さて、下に紹介したのは、卒展校内展示第二弾の「その2」です。力作ぞろいです。どうぞご覧ください。今日は、このへんで。
「第37回福島県高等学校総合文化祭 活動優秀校公演」
日曜日は、福島市内にある「とうほう・みんなの文化センター」で開催された「第37回福島県高等学校総合文化祭 活動優秀校公演」を視察してきました。普通列車で往復の、ちょっとしたミニ旅行です。電車の中でゆったりと読書するのがとても好きな性分なので、仙台~福島間は、全然苦になりません。1時間と少しの、自分にとってとても貴重な本読みの時間です。昨日は松村圭一郎氏の「うしろめたさの人類学」を読みました。今をときめくミシマ社の出版です。第72回毎日出版文化賞<特別賞>を受賞したとあります。人類学専攻の著者がエチオピアでのフィールドワークから気付いた「おかしな人」不在の日本。「おかしな人」不在の日本というのは、やはりどこかおかしいのです。といってもわからない人は、どうぞ本書を。狭い日本に住む、おかしな日本人としての「私」を読み解くには、すごく便利な本です。最初のほうに書いてある「商品」と「贈り物」の違いについて、すごく勉強になりました。本当に私たちは、無意識のうちに巧みに「商品」と「贈り物」を使い分けていますよね。
ということで、福島県の高校生の総合文化祭。総合文化祭自体は、5月から各専門部、県内各会場で開催されてきたようですが、その締めくくりとして、この「活動優秀校公演」があるようです。この形態をとるようになってから4回目。平成27年度に会津からスタートして、今年4回目は県北の福島市内で開催。それぞれの学校の公演は、「活動優秀校」の名にふさわしく、どれもすばらしく、エネルギッシュで、優雅で、目を見張るものばかりでした。この「活動優秀校公演」は、来年、相双地区で開催予定としており、それで福島県内5地区を一巡することになるとのことです。第5回の相双地区開催は、震災で大きな痛手を負った同地区における高校生の部課芸術活動を再興する願いも込められているとのこと。だからこそ、文芸部や生徒実行委員のみなさんが相双地区に足を運び、みんなで創作した「ふくしまをつたえる詩」が公演の最後に披露されました。指導者として協力していただいたのは、福島在住の詩人、和合亮一氏。ステージに横一列に並んだ高校生が、順番に「ふくしまをつたえる詩」を朗読してくれました。披露後、その「ふくしまをつたえる詩」が印刷された小冊子をいただきました。せっかくなので、一部ずつ引用します。福島の高校生のみなさん、そして和合さん、勝手に引用することをお許しください。昨日の、あの舞台の雰囲気を少しでも本校生徒に伝えておきたいと思います。
「荒廃と雨」
【 冒頭 省略 】
家はなかった
家と店があった場所に草が生えて
草は僕の背くらいにあるように見えた
誰に嗅がれるでもない金木犀が
人影のない学校でひっそりと咲く
【 途中 省略 】
人や町のために自分に何ができるのだろう
どういうことをすればいいのだろう
「 Winding Future 」
あなたと過ごしたにぎやかな日々
全てがここに この何もない草原に見える
誰もいない街 あの日から変わらない景色
まっさらになった今だけが ただ風に吹かれている
【 途中 省略 】
あなたが残した未来(いま)を私は生きる
あなたが生きた軌跡を 私は歌う
「これから」
七年前のあの日
あの日からみんな大人になった
あの日は誰かに助けてもらった
あの日の感謝を伝えていきたい
これからは
【 途中 省略 】
あの地震で多くのことに気付いた
私は多くの人に支えられている
このふるさとは美しい
今を生きる命が希望となり光となる
これから
【 後半 省略 】
本校美術科の有志10人も、この前日、12/15に、相馬市の「ふれあいサポートアトリエ」を訪問し、ワークショップに参加してきました。お世話になりました。ありがとうございました。
今日は、このへんで
卒展校内展示第二弾
今日から定禅寺通りでは、恒例となった「光のページェント」。仙台の冬の風物詩としてすっかり定着しました。例の大混雑がまた始まると思うと、憂鬱でもあるのですが、きれいなものはきれいなものとして残してほしいですね。
さて、今日も午前中に雪が舞う寒い一日ですが、グランドでは体育の授業で元気な男子連中がサッカーに興じています。いいですね。若いというのは。たぶん、私が今サッカーをやったら、3分ぐらいで息があがり、あげくにどっか捻挫をしそうです。小学生の頃は、サッカーに夢中で頑張ったのですが・・・。年には勝てません。
でも、スポーツ関係でうれしいことがひとつ。来年の「仙台国際ハーフマラソン」ですが、先日12/10に一般ハーフの部が申し込み開始となり、今年も無事ネットで申し込みができました。新聞によると29分で締切になったとか。ラッキーです。マラソンブームは、まだまだ続きそうです。これからの5ヶ月、しっかりトレーニング(?)に励みます。(怪我をしない程度に)
さて、卒展の校内展示パート2の様子を紹介します。遅くなり、申し訳ありません。食堂前の空間は、幻想的な明かり+雰囲気のある音楽。今日は、一部です。
どうぞ、ご覧下さい。今日は、このへんで。
「素朴・率直・雄大」&『イメージの世界を描く』
昨日の続きです。昨日、紹介した万葉集の歌の訳はこうです。
下野の安蘇の河原を、石を踏まないで、空を飛ぶようにして来たのですよ。だからあなたの本心をはっきり聞かせておくれ。
「素朴・率直・雄大」。万葉集というと、そのような特徴、歌風。これもまたその三つの言葉がぴったりの、いかにも万葉らしい和歌だと思います。
ところで、校長室前の廊下には、今、卒展校内展示の第二弾と同時に、美術科1年 構成 デザイン分野の『イメージの世界を描く』作品展が開催中です。もしかしたらまだまだ初々しい1年次生の作品ですが、才能のきらめきが感じられる作品がずらりと並んでいます。
ちなみに、紹介文がとても気に入ったので、ここに再掲します。
自分が普段考えていることや、夢、性格などを客観的に考えながら詩を作りました。その詩をもとに、絵として視覚的に表現する課題です。自画像を取り込 みながら、現実ではありえない風景や、自分の理想とする世界などが描かれています。
どうぞご鑑賞ください。
気になった作品がありましたら、備え付けの付箋に感想などをご記入いただき、作品わきに貼ってください。
せっかくなので、二つばかり紹介します。本来ならば卒展校内展示の第二弾の紹介ですが、すみません。下級生にも少し活躍してもらいます。
「自分が普段考えていることや、夢、性格などを客観的に考えながら詩を作りました。その詩をもとに、絵として視覚的に表現する課題です」とありますが、いったいどんな詩を作ったのか、ぜひ見せてほしいなと思ったのでした。
今日は、このへんで。(『みやぎの白書』の原稿が書けなくて悩んでいます。)
『栃木の文学』
昨夜遅くから雪になって、早朝まで降り続きました。みぞれになったところもあるようですが、雪の重みで倒れた木で、不通になった区間も発生。今朝方は、電車の遅れで、始業時間を遅らせました。大きな混乱もなく、よかったです。これからの季節、しんどいところですが、まずは安全確保に気をつけてほしいです。
さて、一昨日栃木県の高文連会長様から、郵便物が届きました。中には『栃木の文学』が入っていました。ありがとうございます。実は、熊本での全国高文連研究大会で、席が隣同士となり、話が弾む中で、同じ国語科であることがわかり、県の国語研究会で『栃木の文学』を編集発行しているのであれば、本県の『みやぎの文学』と交換できませんかとお願いしていたのでした。こちらが送る前に、届いてしまいました。中には、栃木高文連40周年記念に作製された「間々田ひも」製のストラップが入っていました。絹糸を材料にした、とても味わいのあるストラップです。栃木高文連のみなさん、ありがとうございます。
せっかくですから、『栃木の文学』からひとつ紹介します。編年体で編集されているので、最初は万葉集。栃木にちなんだ歌です。
下(しも) 野(つけの) 安(あ) 蘇(そ) の 河 原 よ 石 踏 ま ず 空 ゆ と 来(き) ぬ よ 汝(な) が 心 告(の) れ
万葉らしい歌です。訳は明日に。
今日は、このへんで。
「土曜ゼミナール」開催
先週末から厳しい寒さが続いています。今朝、車のエンジンをかけたら、車の表示計にはマイナス3度と出ました。先週末は、仙台でも少しばかり雪が積もりました。根雪にならなくてよかったです。でも、日本海側や北東北では、かなりの積雪量。この秋、青森には二度お邪魔したので、青森で降雪量がニュースになるとドキッとします。雪国では、これから除雪がたいへんなのです。しかしながら雪が少なくて困っていたスキー場には、よかったかもしれません。これから本格的な冬。くれぐれも体調管理に注意を。
さて、先週12/8の土曜日に、恒例の「土曜ゼミナール」が開催されました。今年は21講座が開講。特に外部からお招きした講師の先生方には、師走のお忙しいところ、本校生徒のためにお越しいただき、深く感謝申し上げます。各ゼミナールの様子は、下の写真をご覧ください。小生も、できるだけ各ゼミの様子を拝見したく、カメラを持って走り回りました。(カメラといえば、写真の専門家である東陽写場の後藤社長にも講師としてお越しいただきました。ありがとうございました。)
講師の先生方とゼミナール名、内容については、下記のとおりです。講師の皆様に、深く感謝申し上げます。
今日はこのへんで。
『猫はしっぽでしゃべる』続き&卒展の校内展示第2弾
田尻久子さんの『猫はしっぽでしゃべる』については、先日書いたばかりですが、続きを読んでいたら、「橙書店・田尻久子さんに寄せて」という栞が挟んでありました。伊藤比呂美さん、川内倫子さん、坂口恭平さん、渡辺京二さんが、心温まるお祝いの言葉を連ねています。せっかくですから、密かに敬愛する詩人伊藤さんの「祝電ひとつ」をそのまま引用します。伊藤さん、勝手に引用することをお許しください。
祝電ひとつ
橙書店 田尻久子様
一書店、一カフェとして、
アルテリの編集局として、
熊本文学隊の本部として、
熊本で、
ひらき、すすめ、つづけ、つなげた、
つなげてきてくれた。
人と人を、人と本を。
そこに入れば、久子さんとお店が、
わたしたちの背中をおしてくれる。
あるいはそっと椅子をひいて、
立っていないですわれとうながしてくれる。
尋ねれば、わたしたちの心に
飛びこんでくるような本をすすめてくれる。
お城の石垣が壊れても、
阿蘇の山が崩れても、
橙書店は、場所を変え、姿を変えながら、
わたしたちのそばにありつづける。
こんなに小さくて、
こんなに狭いからです。
本と人しか、いないからです。
おめでとう。橙書店。ありがとう。久子さん。
橙書店 第39回サントリー地域文化賞受賞
詩人の伊藤比呂美さんのお祝いの詩です。
素敵なお祝いですね。人の心に確実にあたたかいものをもたらしてくれます。
昨日の夕方から、生徒が卒展の校内展示の模様替えをし、今朝学校に来てみると、1F食堂前のホールの雰囲気がまた変わっていました。小さな小さな空間ですが、そこに生徒が心を込めて作った作品が展示されると、こんなにもあたたかな場所になるんだなと思います。
少しばかりですが、写真でご覧ください。ついでに先日の授業で三年次の生徒が後輩に創作意図等を説明しているところも添えたいと思います。
明日は、「土曜ゼミナール」。学校外から講師の先生方がたくさん見えますが、ご覧いただいて感想をいただければ幸いです。
今日は、このへんで。
「舞姫」(校内卒展追加)
昨日までの暖かい天気から、今日は一転して冬本番のような寒さ。冷たい雨が降り続き、雪にならないのが不思議なほど凍えるような寒さの一日でした。
さて、朝の打合せ後に、国語の郷右近先生が校長室に現れ、3年現代文の「舞姫」の授業が佳境に入るので、ぜひ参観してほしいとのこと。渡されたのは、生徒が書いた感想文。「印象に残ったフレーズ」を抜き出して、書いたもの。それがクラス毎にまとめられています。生徒は、そのクラスの友達が書いたものを読んで、印象に残ったものを選び、グループで発表し合うもの。友達の意見を聞いて、自分の考えが深められるとすれば、一歩前進。お誘いを受けた1校時、37Hの授業を参観しました。
なつかしいですね。鷗外の「舞姫」です。私も力が入りました。今の生徒は、どんな感想を持つんだろう? 興味津々のぞいてみると、まあ、すごいですね。感心です。
引用フレーズ
「我が母は余を生きたる辞書となさむとし、我が官長は余を生きたる法律となさむとやしけむ」
感想
“生きた辞書”や“生きた法律”のような言葉が私の中には今まで存在していなかったので、衝撃を受けたフレーズだった。自分の意志で学問に専念したり、政治学や法律を学んでいたら、本来は最大の褒め言葉のはずが、そう感じることが出来ずまことの我に目覚めた豊太郎の人生がどれほど所動的、器械的で冷めきったものだったのか感じた。言われたことを忠実に従い、敷かれたレールをそのまま進めば肩書き上は成功した人生を送ることができるかもしれないが、自分の意志に従うことが、どんなに失敗したとしても人生としてみては成功なのではないかと感じた。
これは、感想文集の最初にあるものです。以下、「舞姫」の中の、記憶に長く残るはずのフレーズがたくさん引用され、各自の感想がまとめられています。各グループ、活発に意見の交換がなされていましたが、幾分男子だけのグループの盛り上がりが目立っていました。小説自体、デリケートなところを抱えているため、男子だけとか女子だけのほうが、遠慮なくストレートに意見を出し合えるかもしれません。
とにかく、久しぶりに「舞姫」の授業に立ち会えて、感激しました。懐旧の情にたっぷりひたることができました。郷右近先生、そして37Hのみなさん、ありがとうございました。
卒展の校内展示12/4の様子を写真で紹介します。本日午後に出張から帰ってきたら、作品の入れ替えが行われていました。新しく展示された作品は、明日以降、紹介します。
今日は、このへんで。
『猫はしっぽでしゃべる』
夜明け方、小雨がぱらついたのでしょうか? 庭先が雨に濡れていました。気温が高い分、凍結もせず、乾燥していた空気に、ほどよい湿り気が加わって、過ごしやすい一日でした。明日まで平年よりも気温の高い日が続くようですが、週末にかけてまた寒さが戻ってくるようです。体調管理に気をつけて過ごしましょう。
さて、出張先の熊本の小さな本屋さんで素敵な本を見つけてきました。
『猫はしっぽでしゃべる』
田尻久子さんの本です。
帯にはこう書かれています。
熊本の〈小さくて不便な本屋〉橙書店。
看板猫と共に日々店に立ち、人と人、人と本をつないできた店主による
本と猫と記憶にまつわる初めてのエッセイ集。
「人と人、人と本をつないできた店主による ~」とあります。おそらく私がお店にお邪魔した時間にカウンターにいらっしゃった、凜とした素敵な女性は、田尻さんであったろうなと、勝手に想像しています。話しかけてもよかっのですが、そのときは羞恥心が勝りました。すみません。
本を開くと、目次の前に、「開店のお知らせ」が書いてありました。心をこめて書かれた文章だと思います。気がひけますが、自分が授業を持っていたら、たぶん明日の授業の一番最初に紹介するだろうと思います。なので、ここで本校の生徒のみなさんに紹介したいと思います。
小さな本屋をつくりました。
たとえば、
繊細な切子のガラス
素朴であたたかな焼き物
凜として美しい漆腕
そういった ひとつひとつを選ぶとき
大切に そっと 手に取ります。
心を込めて作られたものですから。
「一冊の本を選ぶときも、そうであってほしい」
そんな気持ちで、つくりました
言葉を紡ぐ人
絵を描く人
写真を撮る人
本の顔を作る人
それを一冊にまとめあげる人たち
一冊の本もきっと、心を込めて作られています。
大切に売りたいので、たくさんは置いてありません。
不便な本屋かもしれません。
探している本は見つからないかもしれません。
でも、旅先でふと出会う人や風景のように
本と出会える本屋でありたいと思います。
場所は「orange」の隣、名前は橙書店です。
近くにお越しの際は、ふらりとお立ち寄りください。
主人敬白
このような「開店のお知らせ」で始まる素敵な本に出会えたことに感謝です。
紹介したいところは、たくさんあるのですが、今日はこのへんで。
「奈良~東京間駅伝バースディープレゼントリレー」
あっという間の師走。木枯らしが吹くかと思いきや、穏やかな天気に恵まれました。このまま暖冬が続くのでしょうか。用心するのに越したことはないので、私は昨日冬タイヤに履き替えました。路面が凍結する季節になれば、多発するのがスリップ事故。自転車通学の生徒は、くれぐれも安全運転を。先週も本校生徒が自転車通学中、車との接触事故に遭っています。
さて、水曜日から熊本での全国高文連研究大会。熊本入りした日は、少し雨がぱらついたのですが、大会期間中は天気に恵まれ、ポカポカ陽気でした。各県代表の事例研究発表もすばらしいものぞろいで、大いに参考になったのですが、まず報告したいのが、初日の開会式直後にあった記念講演会。講師は、クマもんの生みの親である小山薫堂氏でした。講演題は「幸せの企画術」。企画会社を経営する小山氏ならではの、とても深く心を揺さぶられる内容で、あっという間の90分間でした。小山氏からすれば、何か企画を発想するとは、自分の大切な人にバースディープレゼントを贈るようなもの。だから「感情移入」が大切と教えていただきました。たとえばの話がすごかったです。小山氏が経営する会社では、社員のバースディーをとても大事にしているそうで、それは企画の練習にもなるそうです。ワクワクしますよね。単にプレゼントをあげておしまいではないのです。それを世界で唯一無二のプレゼントにするんです。そうするためにどうするか? 例としてあげたのが、小山氏自身のバースディーのエピソードでした。社員の方々は、小山氏に、彼の好きな陶芸作家の器をプレゼントしようと考えました。その陶芸作家は奈良県に住んでいます。単に買ってきて、バースディーパーティーの時にプレゼントすればおしまいです。それなりに喜ぶかもしれませんが、ありがとうでおしまいになるかもしれません。社員のみなさんは、一生懸命考えました。それで、小山氏が箱根駅伝ファンであることを思い出します。これだ、ひらめきました。社員による奈良~東京間500キロの駅伝プレゼントリレー! 奈良県の山奥から東京まで、500キロ。その距離を社員がみんなでプレゼントの器をつないで駅伝リレーするのです。そのリレーをビデオで撮ったものを、講演会の会場で流してくれました。すごかったです。これだけで、会場がどよめきました。この他にも、たくさんのエピソードがあるのですが、それはまたの機会に。