校長通信
広瀬淡窓『桂林荘雑詠諸生に示す』
昨日の続きです。今年の教育実習生に出した課題は、次の漢詩についてです。
広瀬淡窓『桂林荘雑詠諸生に示す』
【白文】
休 道 他 郷 多 苦 辛
同 袍 有 友 自 相 親
柴 扉 暁 出 霜 如 雪
君 汲 川 流 我 拾 薪
【書き下し文】
道(い)ふを休めよ 他郷苦辛多しと
同袍友あり 自(おのずか)ら相親しむ
柴扉(さいひ)暁に出づれば 霜雪の如し
君は川流を汲め 我は薪(たきぎ)を拾はん
【現代語訳(口語訳)】
言うのはやめなさい、他郷での勉学は苦しく辛いことが多いと。
ここには一枚の綿入れの着物を貸しあう仲間がいて、おのずと仲良くなるのだから。
明け方に粗末な扉から(外に)出てみると、霜が雪のように(真っ白に)降りている。
君は水を汲んできなさい、私は薪を拾ってこよう。
この漢詩を読んで、自分の感想を述べなさい。時間は3分~5分。書き下し文と口語訳は、ネットでひけばすぐわかるので、それは省いてください。みなさんにお願いしたいのは、この漢詩から自分がくみ取れることを高校生に伝えるとして、自分はどういうことを伝えたいのか、教育実習の最終日にこの校長室でプレゼンしてください。よろしいですか。楽しみにしています。
こういうことを、実習の初日に伝えました。実習生は、みごとでしたね。予想以上にやってくれました。やはり彼ら彼女らは、第二句目(承句)の「同袍友あり 自(おのずか)ら相親しむ」にポイントを置いて、自分が苦しかったときの友人のありがたさを一生懸命語ってくれました。実習生のみなさんに、拍手です。
今日は、このへんで。
教育実習(2週間実施)お疲れ様でした
いつのまにか、7月です。6月は、この校長通信を長く休むような状況でした。別に病休をとっていたわけではなく、ただ貧乏暇無し状態であったと言い訳しておきます。すみません。今日も、似たような状況です。が、少しでも綴ります。
生徒は、相変わらず元気です。元気が良すぎます。火曜日ですからLHRの日です。外では、レクのクラスが、楽しそうに高校生ごっこをしていました。担任の先生がうらやましかったです。内容は、想像にお任せします。
さて、今日で、教育実習(2週間組)が終わりました。放課後に閉講式が校長室でありました。そこで、私からのリクエストで、開講式のときに伝えていたのですが、広瀬淡窓氏の漢詩を用いて、プレゼンをしてもらいました。
感動しました。今時の学生さんのチカラってすごいですね。詳しくは明日。
今日は、このへんで。
職業人講話と猿橋賞受賞記念講演会
もう週末。でも本校は明日も登校日。恒例の「職業人講話」があります。明日は、16名の職業人の方々から講話をいただきます。生徒は、自分の好きなところを二つ選んで、一回目の講話の時間と二回目の講話の時間に聴講することになります。ぜひ自分のキャリアデザインの参考にしてもらえばと思います。本校OB・OGの方々も複数いらっしゃるようです。現在、教育実習生が来ていますが、考えてみれば実習生は、職業人ではないですが、りっぱなOB・OGです。ぜひいろいろと大学選びの参考に話を聞いてほしいと思います。今日も廊下を生徒と談笑しながら歩いて行く実習生がいました。とてもほほえましく、たのもしく思えました。ぜひ将来本当に教員になって母校に戻ってきてほしいと思います。
ところで、明日は午後から東北大学の梅津理恵先生の講演会もあります。これは体育館で全校生徒対象です。25周年記念プレ事業として、実施します。梅津先生は、先月、日本の若手の優秀な女性科学者に贈られる「猿橋賞」を受賞されたばかりです。その先生の、受賞後初めての講演を本校でやっていただきます。他校からも聴講に来ます。
梅津先生からは、ご自分の専門の話のみならず、今後のみなさんの勉学や進路選択、男女共生社会における望ましい生き方等について、きっと参考になるお話をしていただけると思います。明日の講演を楽しみにしてほしいと思います。
今日は、このへんで。
防災対策と教育実習開始
本日から、本校では教育実習がスタートしました。6名の実習生のみなさん、ようこそ。母校での教育実習ということで、恩師の先生も少なくない中で、少しばかりプレッシャーもかかるかと思いますが、最後までがんばってほしいと思います。今日は、早速各分掌担当から、講話を多数もらったようです。すごいですね、メニューが。半端でないです。このへんを平気で課してくるのが、母校の「良い」ところですね。恩師である方々は、情け容赦なしできますので、へこたれず、がんばってほしいと思います。ここで学んだことは、どこの分野でも、必ず役に立ちます。
さて、今日は、美術科の夏休み中のボランティア活動の依頼に、閖上の公民館にもお邪魔してきました。これまで「さいかい市場」とか「美田園の仮設住宅集会所」で実施してきたものです。閖上の新しい公民館は、すごいモダンな作りで、機能性も高く、ワークショップ等を実施させてもらうには、とても素敵な場所であると思いました。美術科のみなさん、ぜひ積極的に参加をお願いします。
午前中は昨日に引き続き、中学校訪問。その帰り、四時間目頃に学校に到着したら、どこの教室でも定期考査の答案返却。神妙な顔をして答案を覗く者、にこっとして答案を元気よくもらう者、不安そうな顔をして答案をおそるおそるもらう者、いろいろです。いろいろですが、まずはきちんと復習して、財産をきちんと作ってから次の授業に備えること。
昨夜は、新潟、山形のほうで大きな地震。ここ宮城でも震度4。被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。みなさんも、就寝時の安全確認をもう一度。就寝時のみならず、様々な場面での安全対策を家族間でもう一度しっかり確認しておきましょう。
今日は、このへんで。
ストロベリームーンと「未見の我」
昨夜は、満月。帰りが少し遅くなったので、気づいたときは、もう満月は天空に移動。雲間からはっきりと満月が見えたのはよかったのですが、あとで確認したところ、6月の満月は「Strawberry Moon(苺月)」という名前がつけられているそうです。夏至の頃は月が低く昇るため大気の影響を受けやすく赤みがかることが多いので、赤い苺と結び付けたとのこと。残念ながら、昨夜はすでに天空にあったので、赤みがかったお月様を見ることはできませんでした。ストロベリームーンには「好きな人と一緒に見るとその人と結ばれる」というロマンチックな言い伝えがあるとか・・・定期考査最終日の勉学で、みなさんは、とてもそれどころではなかったですよね。
さて、本日はその定期考査最終日。みなさんが一生懸命問題に取り組んでいるところ、小生は、今日から中学校訪問を始めました。中学校の先生方は、とても協力的で、小生の質問に丁寧に応えてくれました。びっくりしたのは、二つ目の学校です。玄関を入るとほぼまっすぐのところに三年生の教室。そして、そこでも定期考査中。中学生も実に真剣に取り組んでいました。玄関先で「こんにちは」と大きな声で挨拶したので、たぶんうるさかったかも・・・。失礼しました。
さて、昨日は本校で、県内の進路指導の先生方が集まって進路研修会が開催され、小生の敬愛する弘前の先生をお招きして講演会を実施しました。すごかったですね。久々に気合いが入りました。講師の先生に改めて感謝申し上げたいと思います。
さて、昨日その講演会でいただいた言葉です。
「未見の我」ということばを知っていますか?
「持って生まれたものを深く探って引き出す」。そういうことをやっていますか?
「未見の我」を発見せよ・・・かつて、自分も繰り返し繰り返し言われた言葉です。
みなさんも、ひとつ、そういうスタンスで自分を鼓舞してみてください。
第一回目の定期考査が終わったばかりの、みなさんに贈ります。
今日は、このへんで。