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校長通信

美術科卒展感想・・・インタビュー原稿

 明日から三連休。正月休み明けから走り続けて、ちょっと息切れしたところで三連休というのも、すごいプレゼントですね。でも三年次のみなさんは、それどころではありません。セ試がいよいよ来週に迫っています。この三日間に何をやるのか、きちんと計画を立てて過ごしてほしいです。また夜型の頭脳を昼型に戻すことも忘れずに。体調を整えながらの三日間です。頑張って!

さて、と思い悩むところに、美術科3年次の面々が昨日、校長室へ。11月に開催した卒展の感想をインタビュー形式でまとめるので、協力をお願いしますとのこと。うーん、もの忘れが激しいこの頃ですが、パンフや写真を見返しながらまとめてみました。今日、放課後にビデオカメラに向かっておしゃべりした内容です。DVDになるまでに少し時間がかかると思うので、参考までに掲載します。 

 

020110  美術科卒展に寄せて

 

 パスポートというテーマで開催された今年度の卒業制作展。感想を少しばかり申し上げます。

 

昨年同様、みなさんの個性と才能がキラキラと輝く、すばらしい卒展でした。

こんなふうに自分は、宮城野の美術科でやってきました、歩いてきました。時々走ってみました。ころんじゃったこともあります。グランドで寝転んでいる写真もありました。でもまた走り出しました。そしたらこんなものをつかみました。どうでしょうか、こんな作品。そんなメッセージを生徒それぞれの作品から感じてきました。

美術に限らず、芸術というと一般に強弱の違いはあるにせよ、自我の表現だと思います。今年はもしかしたら全体的にその自我の表現が幾分抑制されているのかなと思いました。私は、どちらかというと自我が奔放に表現されている作品よりは、自我が抑制された作品が大好きです。抑制の仕方、程度にその作者の個性が表れると思います。

時々人を押しのけて自らの美を誇ろうとする、そういう作品、ありますよね。でも私は、自己の存在に対する含羞、これは、「はじらい」とか「はにかみ」と言い換えることもできますが、そういう含羞を含んだ作品が好きです。また100%自分を表現しようとすることに対するためらい、そういうものがにじんでいる作品が好きです。今年は全体的にそういう傾向が強く、おそらく23回生のみなさんは、心優しい方々が多いのだろうな、そして「含羞の人」がたくさんいるのだなと思いました。

 

 

みなさんの書いたもので、「含羞」がのぞく例

・ちょっとした子供の頃図鑑、ちょっとした野望図鑑

・たくさんの方々に寒い冬の日の中でもほっこりとした感じを与えられたらうれしいです

・ぼんやりした共感、人の面白さ、自分の尊さ、身の回りへのありがたさ

・作者の制作・・・それが存在することを許す、この世界に対するささやかな賞賛と祝福が、謙虚な態度で寄せてある・・・この寄せるという行為のひかえめなあたたかさを感じてもらう。

・雨の尾・・・「天泣」、これは私の卒展制作の内容を決めるきっかけとなった雨の名前です。雨という文字が入っていないにもかかわらず、そのようすを想像できる古人の表現力の豊かさに感動・・・

 

最後に、文化センターの広いスペースをゆったり使わせてもらっているのも、みなさんは、とてもしあわせものですね。ご支援とご協力をいただいたみなさんに感謝してくださいね。みなさんの未来がもっともっと輝くことを祈っています。以上です

 

今日は、このへんで

明日は令和2年最初の満月です。

 

 

新年の挨拶・・・特に3年次のみなさんへ(1/8分)

1/8分

令和2年となりました。今のところ雪が少なく、比較的穏やかに新年を迎えられたと思います。今年もよろしくお願いします。

さて、「今のところ雪が少なく」と書きましたが、本日1/8の朝は、見事に雪景色。仙台では平年より1カ月遅い初積雪とのこと。その雪も朝のうちに雨となり、午前中には溶けてしまいました。明日も午前にかけて雨の予報。朝のうちは道路凍結に気をつけましょう。

さて、本校は昨日全校集会と課題テストを実施(3年次は授業)。今日から全年次普通授業です。昨日、全校集会で話したように、今年も「口うるさい」校長を続けます。みなさん、校長にも気をつけましょう。3年次生は、その校長との戦いにへこたれることなく、戦い抜いて、ぜひとも進路実現という栄冠を手に入れてほしいなと思います。センター試験は今月18日~19日なので、あと10日。私は、若い頃、残り10日間で50点アップとよく叫んでいました。一日につき5点アップをはかったら、10日間で50点。できると思ったらできる。そう思い込んで残り10日間を必死でやるんです。現役はここで伸びると暗示をかけるんです。センター1問につき5点問題がよくありますよね。あれを一つずつ攻略するんです。この範囲から5点問題が必ず出る。出ると目標を定めたらとことんやる。国語だったら、古文の敬語問題を征服し、これで敬語が出たら、自分は必ず正解できる、そう思い込んで、とことんやるんです。どこに目標を定めるか、みなさんそれぞれに得意不得意があるはずです。自分を冷静に分析し、残り10日間の予定をきちんとたてるべし。

今日は、このへんで。

 

 

感謝

 今日12/27で実力養成講座は最終日。1年次は午前の講座で終了ですが、2年、3年次は午後まで。特に3年次はセ試プレの解説等が教科科目ごとに入るので、17:30までかかります。お疲れ様です。でも、セ試本番は、もっとかかるので、この程度で弱音を吐いてはいけません。何苦楚魂で頑張ってください。

さて、昨日は美作七朗さんの絵の話を書きました。美作さんの絵を見ていたら、洲之内徹さんの『きまぐれ美術館』を思い出しました。洲之内さんが『気まぐれ』シリーズのどこかで、美作さんをとりあげていないかと、ふと思ったのです。手元にある何冊かを開いてみたのですが、まだ見つかっていません。ふたりにはすごく似通ったところがあるように思うのですが、どうでしょうか? 

そうしているうちに、『気まぐれ美術館』の「吉岡憲『笛吹き』の顛末」が目に入りました。年末の、こういう時にです。いやな性分です。仙台の某ホテルにあった『笛吹き』。この絵に関するエピソードを書いた、知る人ぞ知る、洲之内さんらしい文章が「吉岡憲『笛吹き』の顛末」。その中で洲之内さんは「 ~ 仙台が好きじゃない。思い出がよくない。 ~ 」と書いています。こんなふうにストレートに言われたら、もちろんあまり気持ちの良いではありませんが、洲之内さんに言われると、妙に「ハイ、すみません」とお詫びもしたくなるのが、文才というもの。さて、その吉岡氏の『笛吹き』は、現在、信州の、とある美術館にあります。昨年、再会を果たした際、もうコトバで、どうのこうのと言えるものではありません。ただ、ただ、茫然としばらく『笛吹き』の前で立ちすくんでおりました。

 

さて、12/25から今朝まで三日間連載の形で、河北新報に『古里と創作太鼓 宮城・美里 方角作曲家の30年』とタイトルされた記事が掲載されました。美里町在住の邦楽作曲家で、世界的に活躍する音楽プロデューサー、佐藤三昭氏の活動が紹介されています。今年、高文連のとある大会でご一緒させていただきました。連載初日にメールをいただいたので、今日、返信のメールをさしあげたところです。このような内容で返信しました。

 

先日は、心温まるメールをいただき、ありがとうございます。
25日から今日27日までの三日間、河北の連載を拝見したところです。佐藤さんのこれまでのご活動が、東北の子どもたちにとって大きな力になっていることを改めて気づかされた次第です。

岩手の野田村でも活動されているとのこと。実は、小生は、学生の頃、サークルの活動で、岩手県の田野畑村に通い、植林や下草刈り、間伐等の作業を通して、森作りに励んできました。村の方々のお宅にお邪魔し、農作業を手伝うこともありました。田野畑村は、自分にとった第二の故郷みたいなところです。その沿岸
部にある島越あたりが大震災と津波によって壊滅的な被害を受けました。

昨年、サークルの式典が村で開催され、復興の状況を見る機会がありました。少しずつ前に進んでいると確認できましたが、やはりこれからが勝負だと思っております。

佐藤さんのご尽力に敬意を表するとともに、改めて前へ進む勇気ももらったような気がします。ありがとうございます。

先月は、本校の生徒が南相馬で活動する美術家のアトリエにお邪魔し、地域の子どもたちとワークショップを行いました。子どもたちの笑顔に元気をもらったところです。中央アジアを舞台にして画家としての活動を続けてきた、そのアトリエの主の生き方にも、大変感銘を受けてきたところです。

今日27日には、本校生徒の有志が、校内の募金活動で集まったものを丸森町に届けにいきました。実際に現場を見なくてはという思いが強く、そういう若者の行動力をこれからも大事にしたいと思います。

少しずつ、少しずつ、前進していけたらと思います。

昨日は、東京の阿佐ヶ谷にある名曲喫茶「ヴィオロン」のマスターから、『美作七朗作品集』が送られてきました。美作さんの絵にも少しばかり心の垢を洗ってもらい、新しい年を迎えたいと思います。

よいお年をお迎え下さい。

 

今日は、このへんで。

 

 

 

 

最高のプレゼント・・・『美作七朗作品集』(12/26分)

12/26

学校は、明日12/27が実力養成講座の最終日。今年、令和元年もいよいよラストです。熱心に実力養成講座を受講している生徒のみなさん、お疲れ様です。また指導にあたっている先生方、ありがとうございます。明日、特にこれといった儀式はやりませんが、それぞれの立つところで、この1年、お世話になった方々、そしてまたがんばった自分に対して、ありがとうございました、そしてご苦労さんと声をかけてやってください。

さて、昨日、1冊の画集が届きました。「美作七朗作品集」。東京阿佐ヶ谷の名曲喫茶「ヴィオロン」のマスターである寺元さんからの贈り物です。美作七朗氏とは、東京の中野で名曲喫茶「クラシック」のマスターとして、また画家として活躍された方です。名曲喫茶ファンの聖地でもあった「クラシック」。マスターの美作さんが1989年にお亡くなりになり、その後ご遺族が引き継ぎましたが、2005年に閉店。その遺品を受け継いだのが阿佐ヶ谷の名曲喫茶「ヴィオロン」です。日常の瑣事の積み重ねで少しばかり心が重い時に、さりげなく自分の存在を受け止めてくれる絵。小さな、小さな人間に温かいまなざしを向ける画家の優しい心根がこちらに柔らかく伝わってくるような絵。油彩、スケッチ、絵皿等全75点を収録。また、画集の後ろには様々な方々の思い出の文章があります。これもまた、美作さんのお人柄を伝えるすばらしいものばかり。

自分としては、天から届いたクリスマスプレゼントのように思えました。おたよりには「  ~ 美作さんの作品集が完成しました。皆さんで見て頂き、蔵書して頂けたらありがたく思います。 ~ 」とあります。本校の図書館に置きます。本校の生徒にぜひとも手にとって見てもらいたいと思います。寺元さん、本当にありがとうございます。感謝です。

 

 今日は、このへんで。

 

クリスマスイブは、宮城野高校生らしく

12/22は、冬至。冬至を過ぎて厳しい寒さを迎えるのが世の常。寒いのはまあ仕方ないですが、雪の少ないのは気になります。テレビでは、スキー場の雪不足がニュースになっておりました。初雪はあったはずですが、これからどうなるでしょうか。もちろん多いのも困りますが。

 さて、今日12/24は午前中に3コマ授業。その後、全校集会と大掃除、LHRで放課。午後には実力養成講座がスタートしました。3年次は、明日からセンタープレです。いよいよ最後の仕上げです。みなさんが最後の最後まで、気合いを入れて机にしがみつき、自分の最高の力をもってラストのセンター試験に臨むことを期待します。

 さて、全校集会で話した内容を紹介します。少し膨らませてお伝えします。

 

令和元年の年末にあたり、みなさんに少しばかり話をさせていただきます。

最初に台風19号により、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

東日本大震災からまもなく9年目。防災対策等、かなり進んだかに見えますが、今年度は、県内各地が台風19号等により甚大な被害を受け、再び自然災害の恐ろしさを思い知らされました。本校においても被災されたご家庭が複数ありました。改めてお見舞い申し上げます。校内の友人がボランティアに駆けつけたとのこと、また有志が校内で募金活動等を行う場面等、支援の輪が自主的に立ち上がることを心強く思った次第です。また、日頃から防災、減災対策にしっかりと取り組んでほしいと思います。

なお、本校には県高文連の事務局があり、そのため、東北各県の総合文化祭を観覧させていただいています。12月14日(土)には、お隣の福島県で「福島県高等学校総合文化祭 活動優秀校公演」がありました。会場は南相馬市の市民文化会館(ゆめはっと)。どの発表も素晴らしいものでした。その中で特にみなさんに紹介したいのは、いわき総合高校の演劇部公演でした。本校と同じく総合学科のある学校です。そのお芝居において、ラスト近くになって二人の高校生の女の子が、ふるさとの「たいら」に戻ってきます。お芝居の最後に「ただいま」と、ふるさとの「たいら」に向かって呼びかけます。ふるさとに向かって「ただいま」です。被災地というコトバでひとくくりにされる前の、ふるさと「たいら」。その「たいら」に向かって、万感の思いを込めて「ただいま」と呼びかけます。未来に生きようとする高校生たちの思い、高校生たちの確かな声を聞くことができたと思います。いつも心配することですが、ネットですぐつながる今だからこそ、「想像力のゆくえ」というものが気になります。本校の生徒にも、すぐ隣の友人、近くの友人、遠いところの友人、はるか遠いところの友人の「声なき声」を聞く想像力をたくましくしてほしいと思います。

 

さて、5月の体育祭。7月の文化祭。どちらも最高の盛り上がりでした。それぞれにボランティアで運営にがんばったみなさん、そしてそれぞれの行事を大いに盛り上げてくれた生徒のみなさん、ありがとう。また、11月には、美術科恒例の卒業制作展が宮城野区文化センターを会場にして開催されました。テーマは「PASSPORT」。これまた卒展にふさわしいテーマでした。どれもが今年の強烈な記憶の一つですが、10月には総合学科の東北大会が本校で開催され、PSの発表を本校体育館で行いました。今年度もバラエティーに富んだ、個性あふれるテーマがたくさん並んでいました。印象に残っているのは、「人生を生き抜く方法」と題して発表してくれたT君です。小生以上に、他県からお越しいただいた先生のほうが感心していました。その先生曰く、「今時の高校生は、こんなふうに人生や哲学を追究してくれない。でも、やっぱりいるんだよな、君のような奴が。今の時代も昔と変わらず、一生懸命、人生とはなんぞや、と考えているんだよな。君、うれしいよ。ところで、君は大学で何を専攻したいと思っているの?」 T君曰く、「僕は建築学を専攻したいと思っています。それぞれが人生、いかにいきるべきかを一生懸命突き詰めて考える先に、たぶんその人にふさわしい住まいができるんじゃないか、そのお手伝いを僕はしたいと考えています」と彼は答えてくれました。T君のその答えを聞いて、お客様の先生は、またまたびっくりし、いいよ、いいなあ、君のような建築家がいたら最高だよ。がんばれよ、今時、君のような高校生がいてくれて、僕は本当に安心した、がんばれよ!」。その先生は、うれしそうにT君にそう語りかけました。もちろん、私も心の内で、がんばれよと応援していました。哲学と建築学の融合、それを人から聞いたような話しぶりになることなく、最後まで自分のコトバで説明しようとする、そういうT君がとても宮城野高校生らしく、みなさんに紹介したいと思った次第です。(このエピソードは、宮城野期白書でも書かせていただきます。)

  さて、令和2年は、いよいよ25周年記念の年を迎えます。様々な行事等に25周年記念の冠をつけて開催します。あまり欲張る必要はないですが、せっかくそういう記念の年を迎えるわけですから、学校が今まで以上に活性化したら、こんなにうれしいことはありません。みなさん一人ひとりの活躍を大いに期待したいと思います。

 また、3年次生のみなさん、いよいよセンター試験です。200名を超えるみなさんがチャレンジすることになります。ぜひともこれまでの学びの集大成ということで、気合いを入れて立ち向かってほしいと思います。先生方全員が応援しています。

 1月7日には、またここにみなさんが集合することになります。またお互いに元気な顔で新年を迎えたいと思います。事故のないように気をつけて過ごすとともに、計画的に充実した冬休みとなるよう、一日一日を大切に過ごしてください。

 

以上の内容を少し縮めて生徒に伝えました。

 

今日は、このへんで。宮城野高校生らしいクリスマスイブを!