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校長通信

「2018信州総文祭参加校説明会」が開催されました

  昨日7/4、本校で「2018信州総文祭参加校説明会」が開催され、各専門部の理事や参加校の先生方に対して、信州総文祭概要と事務的な手続き等について、高文連事務局担当者から説明をさせていただきました。信州総文祭は8/7~8/11の日程で長野県の各地で開催されます。去年、宮城県で開催されたときの熱気と興奮、まだまだ記憶に新しいところですが、もう1年経ったのですね。早いものです。それぞれの専門部では、貴重な財産ができたものと思います。その継承と発展が大きな課題です。県の高文連の事務局として、本校の責務をきちんと果たしていきたいと思います。今年は、規定の19専門部と協賛の2部門に、本県から429名の生徒と85名の引率の先生が参加です。みなさんの活躍を心から祈りたいと思います。

 

 さて、昨日読んでいた「東京人」という雑誌(最新の7月号は没後70年の太宰治の特集です)で、石垣りんさんの詩を見つけました。浅学の私にとって初見です。

『ランドセル』という題で書かれた詩です。

 

あなたはちいさい肩に

はじめて

何か、を背負う

机に向かってひらく教科書

それは級友全部と同じ持ちもの

なかには

同じことが書かれているけれど

読み上げる声の千差万別

入学のその翌日から

ほんの少しずつ

あなたたちのランドセルの重みは

違ってくるのだ

手を貸すことの出来ない

その重み

かわいい一年生よ

 

「同じ持ちもの」「同じこと」に対して「違ってくる」「手を貸すことの出来ない その重み」。石垣りんさんらしいです。平易なことばで、ひとにとってとても大事なことを、さりげなく教えてくれます。

 

昨日は、本校で木槿。自宅の小さな庭では、くちなしの花が咲き始めました。写真のとおりです。白い可憐な花が暑さを忘れさせてくれます。

正岡子規の俳句にこのようなものがありました。

 

薄月夜 花くちなしの 匂いけり

 

今日は、このへんで。

 

 

 

「よしず」と「仙台市内高等学校美術展」

7/4よしず

  昨日も仙台では最高気温が33.9度。ついに、校舎教室棟1F窓側には「よしず」が立てかけられました。(写真のとおり)本校、夏の風物詩です。少しでも暑さを防ぐことができればうれしいです。水分補給もしっかりとお願いします。(「よしず」の写真を撮りにいったら、敷地内の木槿の花が咲き始めているのを発見! そういう季節ですね。これも写真をつけます。ピンクと白の木槿がこれから次々と咲き始めます。生徒のみなさん、時々、木槿さんとコミュニケーションをどうぞ。)

さて、昨日7/3、仙台市内高等学校美術展の搬入・審査が行われました。本校からも1、2年の美術科の生徒が出品し、その結果は・・・見事に最優秀賞である「美研会長賞」に、1年次の早水京華さんが選ばれました。おめでとうございます。また、美研賞+優秀賞に2年次の岡田千瑛莉さんと1年次の千葉華音さん、優秀賞に2年次の吾妻楓子さん、川村くれはさん、木村緋色さん、昆すずさん、鷺谷百佳さん、渡部マリアさんが選ばれました。以上合計9名の生徒のみなさんが入賞。すごいですね。改めてお祝い申し上げます。この仙台市内高等学校美術展は、宮城県美術館の県民ギャラリーで本日7/4(水)から7/8(日)まで開催。私も金曜日に、出張の帰りに見に行きます。楽しみです。

今日は、これから3年次の進路志望校検討会。3年次のみなさんの現状、今後の展望、対策等を先生方と共有してきます。いよいよ本番です。今日はこのへんで。

7/4木槿

 

 

 

 

「たたなづく」

 仙台の昨日の最高気温は、新聞によると34.3度。すごい暑さでした。今日も、昨日と同じく、うだるような暑さ。それでも元気に授業に励んでいるみなさんは、りっぱです。(プールの水温は、30度を突破? お湯につかっているような感じらしいです)さて、今朝方は、ドラマチックなワールドカップの決勝トーナメント1回戦。初のベスト8進出をかけて、日本チームが世界3位のベルギーと戦いました。残念ながら夢破れてしまいましたが、チーム日本は、大きな感動と勇気を与えてくれました。2年後の東京オリンピックや次のワールドカップでの一層の活躍を大いに期待したいと思います。

 

 さて、教育実習生の2週間組が最終日となり、今日は化学の二人が研究授業。2校時と6校時に拝見してきました。教材研究に一生懸命打ち込んで、準備してきた成果を出し切ろうという気持ちが授業の前面にあふれており、頼もしさを感じた次第です。放課後の反省会で各先生方から指導をいただいたものを財産にして、ぜひ本県の教員として戻ってきてほしいなと思います。

 

 ところで、日曜日の毎日新聞は、ワクワクする読み物でいっぱいです。今は、映画監督の河瀬直美さんの連載エッセイを読むのが楽しみです。総タイトルは「たたなづく」。古い大和ことばですね。「幾重にも連なり重なる、重なり合う」という意味です。河瀬さん独特の、ゆったりした時間が過ぎてゆくような文体で書かれています。7/1(日)の題は「青い時間、暮れゆく時間に漂って」。こんなすてきな文章と出会いました。

 

 「  ~ 『自由』であることは、失敗を重ねることだ。自らの感覚で良しとすることをやってみて重ねた失敗から経験を積んで気付くことがある。その気付きこそが自身のスキルになってゆくのだろう。けれどそれは大海原をどこにたどり着くかもわからない航海に出るようなものだ。だから失敗が命取りになることもあった昔からすれば、「教育」というものはとてつもなくありがたい仕組みだということがわかる。それでも、人間ひとりひとりに備わった自らが学び悟る能力を奪わないような教えが現在どれほどあるのだろう。本来の教育の理念に立ち返り、人々が本当の意味で成長してゆく仕組みであってほしいと願う。~ 」

 

 今日、教育実習を終えた二人に贈りたいメッセージであり、また現在本校で学んでいる生徒たち、そしてまた未来の本校生徒に贈りたいメッセージです。今日はこのへんで。

 

 

 

6/30(土)模擬試験が実施されました

  いよいよ七月。今年平成30年も折り返し地点を過ぎ、七月、文月になりました。文月というと、7月7日の七夕に、短冊に詩歌を書いて笹に飾る風習が由来とか。突然ですが、建礼門院右京大夫に、このような歌があります。「なにごともかはりはてぬる世の中に 契りたがはぬ星合の空」。あるいは「月をこそながめなれしか 星の夜の深きあはれをこよひ知りぬる」。平家をやって、ちょっと横道にそれると建礼門院右京大夫。恥ずかしながら、高校時代には、ほとんど記憶にとめなかった女流歌人です。2年次のみなさんは、六歌仙を学習している今が良い機会。訳は、ほとんど必要ないくらい、やさしいですよね。そしてその恋しい人を失った悲しみがストレートに響いてきます。少し興味を持ったら、どんどん自分で興味関心を広げてほしいと思います。「学び」の楽しさに気づけば、あとは、ひとりで勝手に学びが深く、広くなっていくはず。

 ところで、今日、7月2日、羽生結弦選手に国民栄誉賞が贈られました。羽生選手のますますの活躍を期待したいと思います。考えてみれば、羽生選手は、一流と一番をどちらも達成した人。すごいですね。なかなか普通の人には達成できません。だからこそ国民栄誉賞をもらっていると思います。

さて、ここからが今日の本番です。先日の「職業人に学ぶ」にいらっしゃった講師の方、市内のラーメン店「五福星」の店主である早坂雅晶さんが語ってくれた内容に、一流と一番のお話がありました。感動しました。早坂さんは、こう語ってくれました。一番には、誰でもがなれるわけではない。でも、一流には、努力次第で、誰でもがなれる可能性がある、それを信じて努力すること。とてもよかったです。私からすれば、「自分は『4番打者』になれないかもしれない」、でも「自分のような者でも、努力次第で『優れた9番打者』になれると信じて、一生懸命努力する」、これこそリアリズムに裏付けられたロマンチシズムです。吹けば飛ぶようなロマンチストではありません。しっかり二本足で立っているロマンチストです。

先日の模擬試験で、たたきのめされるような、そういうショックを受けた生徒もいるかもしれません。でも、自分のような者でも、努力次第で『優れた9番打者』になれる、そう信じて、必死に努力を続けること。みんながみんな、1番である必要はありません。しかし、一流になれる可能性がある、そう信じて、実現を目指して学び続けてほしいです。今日はこのへんで。

 

 

 

 

 

 「22世紀を見る君たちへ」

  今日は、関東甲信越で早くも梅雨明け。宮城も梅雨明けを思わせるお天気です。アツいですね。でももっとアツくなったのは、例のワールドカップ。残念ながら第3戦目は負けましたが、辛くも決勝トーナメント進出。今度は初のベスト8進出に期待しましょう。

  さて、天気があまりにも良いので、今日は4校時の授業で、3年次の体育に潜入。グランドでソフトボールに入れていただきました。ソフトボール選択のみなさん、ありがとうございました。キャッチボール、ティーバッティング、そして紅白戦と、フルに楽しんできました。特にソフトボール大好きな女の子がいてくれたのは、ラッキーでした。私のような年寄りにも優しく対応してくれました。またお願いしますね。

しかしながら、改めてびっくりしたのは本校の体育の授業の展開の仕方。通常は先生が生徒に指示を出して動かすと思うのですが、本校では生徒のリーダーがいて、そのリーダーがメニューを決めて、自分たちで動いてやります。こういうところで、生徒の自主性、主体性を育てていきます。(もちろん年次によって、また時期によって多少の違いはあります)体育の前には、美術科の授業参観。ピーンと張り詰めたほどよい緊張感のある空間。美術棟のアトリエは、とにかく広いです。今は、市内美術展出品の追い込みでしょうか。みんな真剣です。一心に自分の作品に向き合っています。入選、入賞目指して、がんばってください。

 

  突然、私の愛読書に話題が移ります。一番身近なものは、各出版社のPR誌です。図書・波・本・ちくま・みすず、今のところ、この5冊です。力量のある各分野の書き手が、連載ものを始めたりすると、本当にうれしくなります。講談社の「本」最新の7月号では、平田オリザ様が新連載「22世紀を見る君たちへ」をスタート。表紙にこの活字を発見し、小躍りした次第です。中身は・・・とても刺激的です。一読、どうぞ。兵庫県豊岡市の小中学校での氏の試みは、機会があったらぜひ拝見したいものです。

  この「本」には、中屋敷均様が「科学と非科学――その間にあるもの」を連載中です。科学と非科学のはざまを、こんなにも知的好奇心を喚起し、学問的レベルを落とさずに書いていただける方がいるとは、びっくりです。文系の私は、だから科学の応援者でありたいとおもっています。一定レベルを超えると、ちんぷんかんぷんですが。水原紫苑様の「百人一首 うたものがたり」も今年1月から連載中。7月号には28番「山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば」が出ています。なつかしいですね、掛詞を覚えたとき、必ず扱った歌です。2年次のみなさんは、もちろんわかりますよね。わからなかったら、伊勢先生が泣きますよ。伊勢先生は、今日の古典の授業で、「わが庵は都の辰巳 しかぞ住む 世をうじ山と 人は言ふなり」を扱っていました。これも掛詞ですね。わからない人は、はい、復習です。明日の模試に掛詞がでるかもしれませんよ。

  さて講談社のPR誌「本」には、他に原武史氏(鉄道オタクは必読)、二宮清純氏(野球オタクは必読)、大澤真幸氏(哲学オタクは必読)が連載ものを執筆中。おいしい方々ばかりです。こうなると「本」は定価90円ですが、確実にウン千円以上の価値を持っています。これをただのPR誌と見て、通り過ぎるか、ウン千円以上の価値を見いだして、愛読者となるか、それは、ただただ、みなさんの勉学意欲、というよりも、知的好奇心にかかっています。明日は全年次、模擬試験。暑いところですが、日頃の成果をしっかりとぶつけてほしいと思います。今日は、このへんで。